2011年4月17日日曜日

日曜日の話し(4/17)

いつも使っているPCで投稿している。今日は先週アップできなかった画像を使えそうだ。その前に朝方考えた話しを一つ。



  • 知らない顔はあなたの奥さんですよ



夢をみた。知らない女と一緒に歩いていた。夢にしろ知らない人間が出てくるのは解せぬ。奇妙だなあとつぶやきながら二人でずっと歩いているのがおかしい・・・そこで目が覚めた。横を見るとカミさんが呑気に寝息をたてている。


同じ女が何度も夢に出てくる。話はしないのだ。俺の横を手をつないで歩いていたり、街角のカフェでテーブルの向こうに座ってじっと俺の顔を見ている。それだけだ。それにしても一度もお目にかかったことのない女をなぜ俺は見ることができるのだろう。


心配になって医者を訪ねてみた。何だか訳の分からない検査をしたかと思えば、えらく念のいった問診があった後、こんな話をした。
「知らない女の方なのですね?」
「そう言ったじゃないですか。そもそも知らない人の顔を夢に見るなんて、そんなことあるのですか?」
「知らないということはないんですよ」
「どこかで会ってると言うんですか?」
「調べたところ、あなたの視覚神経には異常が見つかりまして、何といえばいいかなあ、色盲という症状がありますよね、それと似ているんですが、視覚的な認識が正常に伝わらなくなっているんです。」
「といいますと、もっと分かりやすく言ってくれませんか」
医者は一枚の紙と一枚の写真をとりだした。何だか文字が書いている。
「よくインターネットでも聞かれますよね?歪んだ文字が表示されて、その文字を入力しろと」
「ええ」
「この写真の人は誰だかわかりますか?」
「◯◯☓☓でしょ?」
「そうではないんです。あなたにはそう見えるのですね?」
「違うんですか?エエッ、そんな、そんなはずはないと思うんですが、もう一度見せてください!」
確かに俺が好きだった女優の顔がそこには印刷されている。
「あなたは、自分が見ていると認識しているのですが、それは正しい認識ではなくて、現実とは違った映像になって脳が解釈しているんです。極めて珍しい症例ですが、ないわけではない。」
「そんな・・・じゃあ、私が夢でみている知らない女というのは・・・?」
「あなたが愛した女の方だと思います。おそらくあなたの奥様ではないでしょうか?」
そんな馬鹿なことがあるか!
カミさんの顔くらい昔から知っている・・・
「若い頃の奥様のお顔はよく覚えておられますか?」
「もちろん」
「この症状は徐々に進行するんです。現実に見えていると思っている奥様のお顔と、本当の奥様のお顔が異なった映像となってきた場合、あなたがその違いを違いとして認識すると脳の処理能力を越えてしまいます。なので、いまの映像で昔の記憶を上書きしようとなさるのです。つまり本当の奥様のお顔を忘れて、いまあなたの目に映るお顔が本当の姿なんだと、そうとらえてしまうのですね。これは自己防衛反応なんです。」
「では、・・・それじゃあ、昔のあれの顔を夢に見たというのは・・・」
「日常生活では忘れています。というか、認識としては顕在化しないように、いわば意識に化粧をしているのですが、睡眠中は化粧がとれてしまいますから、無意識界に潜在している昔のご記憶が蘇生することが多いのです。夢にみた女性があなたの本当の奥様の姿ですよ。」


☓ ☓ ☓


私は家に戻った。かみさんが出迎える。俺は本当の姿を見てはいない、見られなくなっているのか。不憫というか、罪の意識というか、形容しがたい気持ちだ。


翌朝、髭をそろうと鏡を見る。待てよ、俺のこの顔は俺の顔なのか?本当の俺の顔は別の顔として周りの人間達は認識しているのだろうな。しかし、周りの人間で俺と同じような病気にかかっている奴がいるとしたら、そいつも俺の現実の姿はわかっちゃいないわけだ。病気にかかっているかどうかも分からないしな。どうすれば確かめられるんだ?


俺はもう一度医者を訪ねた。ところが、病院が見つからない。どこにもないのだ。あの医者は本当にいたのか?確かに俺は病院を訪ねた。ここにあったんだ。あれはこの世界であったことなのか・・・



  • 昔住んだ家

東京都区内で10代を過ごした時分、こんな家に住んで、こんな風に暮らしていた。




この家は取り壊されて、今はもうない。そこには別の人が住んでいる。

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