2011年4月7日木曜日

政府の政策決定プロセスと国民への周知について

日本の国民は日本の政府がどのような政策を決定しようとしているかを知りたいものである。そのための情報を分かりやすい形で伝える工夫は政府の責務だと言ってもよい。

現在、国民が最も知りたいと思っている情報はやはり東日本大震災からの復興、それと福島第一原発事故の解決、政府はこれらをどのように進めていくかという点だろう。もちろん政府が取り組むべき問題は多様であり、そのために行政の手足となる中央官庁がある。とはいえ個別の事項がどの省庁の所管であるか必ずしも知識があるわけではなく、しかも大震災、原発事故どちらをとっても影響は広汎である。首相官邸の<戦略>が問われるのはこのためである。

首相官邸のホームページで調べたいことがあるのでアクセスしてみた。何を調べたいかといえば、大震災や原発事故に関連して首相官邸内あるいは内閣府内に多くの会議が設置されてきたことが新聞記事になり、今般更に「復興会議」なるものが新たに設けられると報道されたこともあって、全体としてはいくつの会議が設置され、それぞれの構成員はどのようなメンバーになっているのかを確認したくなったのである。トップページはこうなっている。

確かに東日本大震災について情報を求めている人たちに対してトップメッセージが表示されている。ここをクリックすると

福島第一原発から半径20km~30km圏内の市町村長の皆様に、政府から「この区域内の住民の生活支援及び自主避難を積極的に促進するとともに、避難指示を想定した諸準備も加速化する必要がある」旨、お伝えしました。

のようなメニューが出てきて、さらに一番下の「すべて表示」というリンクを押すともっと細かなデータが取得できるようになっている。

上のメニューの一番上にある「福島原発・放射能関連情報はこちら」を押すと、水、水道水、食料をはじめ、蓮舫消費者担当大臣のメッセージや「原子力発電所の現在の状況や避難・屋内退避区域内・外での生活に関するQ&Aなどのリンク集です。(経済産業省)
 http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/kinkyu.html」などの案内がある。情報提供の分量としては「たっぷり提供している」と言える。しかし、求める情報、つまりどのような会議が設けられ、どのような事柄について審議を進めているのかが分からない。まして審議の議事録などは探しても見つからない。そもそも設置されている多くの会議や相互関係という組織図がない。(私の探し方が悪いということかもしれないが)
小生も考えてしまうのだが、首相官邸は何を担当する官庁なのかと?首相官邸も官庁の一つではあるに違いない。そもそも首相官邸と内閣府との所掌業務の違いは何か?私にはよく分からないのだ。そもそも首相官邸が発信している情報の大部分は、首相官邸ではなく、電子政府(e-Gov)で案内するほうが分かりやすい。
電子政府にも首相官邸というボタンがあるが、これを見ると「ああ、大震災の担当官庁は首相官邸なのか」と思ってしまうではないか。しかし官邸は
このようになっていて、行政事務を遂行できる職員組織になっているはずがないのである。内閣広報室の報道室があるので広報の場にはなっているが、一体、どのようなプロセスで政策が形成されつつあるのか、ホームページをみても五里霧中の感覚に陥った。これがいまの心境だ。

政府の情報発信は極めて重要だ。財務省は財務省所掌の業務について情報を求められているし、経済産業省も所掌する範囲の事柄について情報を提供しなければならない。同じように大震災や原発事故についても情報を容易に取得できるようにする必要がある。そしてその情報の収集、整理、編集は決して首相官邸の所掌業務ではありえない。これは歴然としている。

首相官邸のホームページで国民が知りたいと思うこと。それは大震災や原発事故に対する細かな行政プロセスだろうか。それは電子政府でわかりやすく伝えていけばよいと思うのだが、どうだろうか?本当に日本国は法で定められた役割分担に沿って統治されているのだろうか。政策と行政の責任の所在だけは明確にしておいてほしいものである。これが今日感じたことである。


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