2011年4月23日土曜日

おすすめリンク集(4月23日)

今週も多くの記事を読んだ。大震災、原発事故、かと思うと増税、国債増発、中国の成長などなど誠に世の中は騒然としている。


おそらく幕末という時代も騒然としていたのだろう。考えられないことが立て続けに起こって、世の中全体が全く違った有様になってしまった。そんな感じか。福沢諭吉が晩年に「私は二世を生きた気持ちだ」という意味のことをどこかで書いていた。二つの世の中を生きたという意味だ。そんな一大転換が10年ごと、20年ごとに来られちゃ、かなわない。ついていけない。それは誰でも共通だと思う。


でも幕末と維新の時代にもお茶を喫したくなる一時はあったろうし、男女の出会い、家族の絆は同じであったろうと思う。そんな共感は時空を超えて伝わるのだな、やっぱり。


最初に挙げるのは田中秀臣氏の<おすすめリンク集>、マトリョーシカのような入れ子構造ではあるがお許し願いたい。


次に自民党の小池百合子氏がProject Syndicateで公表した文章。このサイトは超一流の寄稿者で知られている。書かれている内容自体は意外と平凡だが、日本の国会議員のしっかりとした意見になっていると小生は思う。

次に電力問題について、最初は佐藤健氏のブログから

価格は社会経済で非常に重要な役割を果たしており、時に「神の見えざる手」とも形容されるのだが、次の野口悠紀雄氏の意見とも相通じている。これは2008年の記事だから多少旧聞に属する。
現在進行中のTPP参加の是非を議論するときにも、賛否は別として各自が熟考を要する意見だと思う。

原子力発電関係は非常に記事が増えてきた。考える時間が必要だった、ということかなあ。4月上旬で少し時間が経過したが八田達夫氏の
池田信夫氏の
池田氏はご自身のブログ他にもエネルギー関連で多くの意見を公表している。
切込隊長氏の
社会を運営するには専門家が必要だし、専門家は行動プランについて説明を行い、多くの人から理解を得る、そのための努力を惜しんではいけない。この点は、一般論としては、誰でも分かっているのだが、情報を伝達するメディアが何をどう伝えるか。それと、人間は一つの動機しかもっていないわけではない。だから言っていることは正当でも曲解されることはままある。そこが世の中の難しいところだ。邪推という奴です、な。またまた福沢を出して恐縮だが、人間の劣情はそれはそれで可愛いところがあり、半ば憎むべきであるが、半ば愛しうる面もあるのが普通だ。しかし、こればかりは許せない。それは<嫉妬>であると書いている。嫉妬の感情は害悪のみを流し、何の価値も生み出さない。現在の世の中にも放射能汚染のごとく<嫉妬の感情>が社会に障害を与えていないか・・・いや、これは話が広がりすぎた。また別の機会に。

かように浮世は中々生きるのが難しいのだが、被災者は更に困難な状況に置かれている。岩本康志氏の
これは現在の政情の現実を伝えている。

最後に海外の意見から
前者はリスク評価の問題で経済学のティピカルな問題。非常に面白い内容だ。後者はある意味で怖い。一部を引用しておこう。
Eventually, most likely after 2013, China will suffer a hard landing. All historical episodes of excessive investment – including East Asia in the 1990’s – have ended with a financial crisis and/or a long period of slow growth. To avoid this fate, China needs to save less, reduce fixed investment, cut net exports as a share of GDP, and boost the share of consumption.
The trouble is that the reasons the Chinese save so much and consume so little are structural. It will take two decades of reforms to change the incentive to overinvest.
常々不思議に思っていたのは、安い輸入品が増加してデフレが解消できず失われた20年になってしまったという解釈だ。日本で高く販売されているなら、なぜ中国企業も協調して高値で販売しないのか?なぜ攻撃的な安値をしかけるのか?安値で攻撃すれば日本企業から報復的な対抗措置を誘発する。中国企業にとっても長い目でみれば協調するのが賢明ではないか。これは典型的な経営戦略の問題なのです、な。
稼働率が低下し、余剰能力がある場合は、安値攻撃をしかける誘因が高まる。小生思うに、このような背景でこの種の販売行為を行えばダンピング行為として摘発できるのではないか?
中国経済は「近いうちにクラッシュする」とそれこそ「狼少年」が何年も言い続けているのであるが、よく見なさいという上の記事は実に的を射ている。ちなみにRoubini氏はリーマンショックを早くから警告していた人である。




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