2011年9月17日土曜日

リンク集 - 日・米・欧の今日この頃

復興財源プランが昨日、今日あたり出揃ってきた。これに平行して、当初は世論調査で驚異的支持率の数字を叩き出した野田新内閣にも死角ありというか- 簡単にいえば嫌がらせにも感じられるが- 色々とネガティブな文章表現が目に入ってくるようになった。

さしづめ以下の記事は元友人・知人の証言も含まれており、やっぱり読んでしまいますね(ミーハーでゴシップ好きなものですから)。

「ドジョウ・バブル」はいつはじけるのか?(出井康博、時事ドットコムより)

小宮山洋子厚労相が発言したタバコ増税。復興財源のB案に所得税定率増税と併せてタバコ値上げが挙げられているが、さては小宮山発言が伏線であったのか・・・。タバコは価格弾力性が低いように思われるので、増収にはなるだろうなあ、とは思う。しかし、これは「イジメ」ではないか、と。小生自身も若い頃には愛煙家であったので、まだ続けていたらやっぱりイジメ論には賛同するかもしれない。代替商品が見当たらないからなあ。噛みタバコとか、嗅ぎタバコとか、トルコ風水タバコとか、ちょっと調べると健康に問題があって、代替品にはならぬ。酒は飲めない人がいるし、このストレス社会で嗜好品は必ず必要でありんしょう、どうしてくれるのでござんすか?小生だってそう叫びたいと思う。幸いなことに、我が身はいまのところ毎晩の晩酌で事足りているが、カネのないお上に情けを求めてもダメだろう。

たばこ増税の意味(佐藤健、政治ブログより)

アメリカ経済の日本化がいよいよ避けられなくなったと見る専門家がボツボツ出てきている。移民に対して開放的で、若年人口がまだ増えているアメリカで、そんなことはないだろうとは思うが、<アメリカ商品の国際競争力>が焦点になれば、確かに危機である。下の記事はそんな目線の一つの典型。

What could America be good at? (Econbrowser)

ただアメリカには、現状を打ち破る(打ち破ろうとする)人間に対して社会がウェルカムである。株式市場に玄人も素人もすべて参加して決まってくる株価という企業評価。それを素直に受け入れる社会的土壌もある - おなじ<ドジョウ>でも、こちらは社会の進歩を左右する大事な要素だ。

アップルとソニー - その差はどこにあるか?(野口悠紀雄、東洋経済オンライン)

野口氏も言うように、「あれは大したことはない」と言っているようでは、戦前期の陸海軍と全く同じである。ライバルをなめていますな。夜郎自大だ。上の記事でソニーとアップルがこの10年でたどった株価の推移が描かれているが、つまるところ企業の価値は人の価値、仕事の価値。小生は、亡くなった父親が昭和30年代にソニーのテープレコーダーを購入した時以来の大ファンであったが、いまは宗旨替えをした。いま本投稿を編集しているPCはパナソニックのLet's noteである。ビデオカメラもキャノンである。テレビもパナである。ソニーのVAIOをずっと前に勤務先で買ってもらったことがあるが、余りの鈍速ぶりに企業の良心に疑問符をつけ、以後は宗旨替えをしてしまった。本当に残念である。小生の母親が亡くなる直前まで愛用していたのがウォークマンであっただけに。

日本の部品メーカーは「すごい」という自画自賛で見落とされた日本企業の弱点(ダイヤモンド・オンライン)

これは製品戦略の議論になるが、つまりは競争回避と参入障壁形成である。確かに、ライバルが参入するためのコストを高めに維持しておくことは参入障壁になる。そのためには製品多様化でブランドの傘を林立させておけばよい。究極の多様化が顧客との密着路線になるのは分かる。

なぜこれほど競争を回避するのだろうか?かつて模倣をして相手を駆逐したアグレッシブネスはどこへ行ったのか?そう思ってしまう。アップルの成功をみても、全ては為替レートのせいではないと思うがどうだろう?

最後にユーロ圏について。


もちろんアメリカ人Krugmanから見れば、不思議に思われる現象もあるようだ。

Math is hard, Euro Edition (Krugman, The Conscience of a Liberal)

欧州では、ソブリンリスクと金融機関の経営不安、ユーロ安に中々歯止めがかからない。

しかし、欧州は問題発生の原因が相当程度までわかっている、やることがわかっている。やるべきことを残してきたのだから、それをやればよい。つまり財政政策の統合である。治療方針の明らかな経済問題であるから、治療を進めるプロセスにおいて抵抗はあろうが、それしかないのだから、結局は解決していくしかないだろう。前へ進むだけである。そんなタイプの問題だと思うのだ。

ひるがえって、ここ日本では実に長い期間、ずう~っと、増税は是か非かでグズグズしている。これほど山手線のようにグズグズと同じ議論をしている国はない。小さい政府を志向して年金カット・歳出削減。それとも年金維持・増税のいずれをとるかで激論がおさまらないというなら、まだ見込みがある。理屈は二者択一であるのに、その二者択一に向き合っていない。

こんな問題は正解がないのだから、選挙で決めるしかないのである。だから先ずどちらかを実行して、解散をすればよいのである。勝てば変更はしないし、負ければ路線修正がされる。いくら世論調査をしても、一回の選挙にはかなわない。

このアタリマエのことがなぜできないのか?小生には原因が分からない。原因が分からない分、治療が難しく、欧州よりも日本の方が問題は深刻だと思っている。

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