2012年9月3日月曜日

メモ ― 夏の猛暑・地球温暖化の長期データ

産経新聞のWEB版を読んでいると、この夏の猛暑とゲリラ豪雨が記録的であったと報じられている。
 今夏(6~8月)の気温35度以上の「猛暑日」数が福島県会津若松市や盛岡市など5地点で過去最多を更新したことが3日、気象庁のまとめで分かった。最多タイも埼玉県熊谷市など4地点に上った。一方、8月の東北地方の太平洋側は観測史上最少の降水量となった。局地的な大雨「ゲリラ豪雨」の発生回数や沖縄、鹿児島・奄美の降水量も最多と、列島は記録ずくめの夏を経験した。(出所: MSN産経ニュース、2012.9.3 21:24配信)
 こんな報道をみると地球温暖化というキーワードを連想し、二酸化炭素排出規制が益々必要であることを思い出す。ただ、地球表面の長期気温データは信頼できるものが少ないと言われているのも事実である。たとえば米国NASAのホームページに掲載されているグラフは、1880年から現在までが図化されている。


確かに20世紀に入ってから急速に気温が上昇しているように印象付けられるが、このグラフの開始時期直前は<ミニ氷河期>と呼ばれる時期であったことを忘れてはならない。

分かりやすい図は、”LongRange Weather”に掲載されている。下がそれだ。クリックすると拡大される。


周知のように中世末期から近世にかけては「ミニ氷河時代」と言われる寒冷期に該当していた。右端のグラフの延長部分をみると、上がる(温暖化)とも思われ、さがる(寒冷化)とも予想され、かなりのばらつきがある。

図には、紀元前2500年以降が描かれているが、時間を遡るほどに以前の気温を推定する材料は少なくなり、推定精度が落ちることはいうまでもない。とはいえ、地球の平均気温が極めて長い長周波循環に従っていることは容易に分かる。100年程度の期間ではトレンドに見えるとしても、全体の中ではサイクルの1フェーズである可能性を否定できない。

更にまた、全地球史的に眺めれば、いわゆる<K‐T境界>(=中生代と新生代の区切りで6550万年前)以前においては、地球の平均気温は現在よりも10℃から15℃程度(!)も高かったと推定されている。原因としては、当時の二酸化炭素濃度が高かったことがあげられている ― 自動車など内燃機関とは無関係に、だ。

このように超長期の気温データを眺めれば、この100年の平均気温上昇の根本原因は、正確には不明であると思われ、たとえば「二酸化炭素排出規制」が最近の温暖化傾向の防止に対して、本当に有効に作用するのかどうかについても、科学理論的には不明であり、やってみないと分からないというのが、小生の見方だ。がしかし、二酸化炭素濃度が上がれば温暖化を促進することは確かであろうし、排出規制はやらないよりはましである、と。これだけは確かに言えるだろう。


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