2012年12月8日土曜日

景気「ミニ後退」の兆し

本日の日経朝刊5面のヘッドラインは表題の通り『ミニ景気後退』である。

昨日、内閣府から公表された景気動向指数から景気判断は「悪化」に下方修正された。実際、足下 − とはいえ10月現在の統計データによるものだが − の景気を伝える一致指数は7ヶ月連続で低下し続けており、回復への動きは見られない。文字通りの「景気後退」に間違いはない。今年4月以降は景気後退局面に入っていると説明がある。その通りだろう。


ただ、先行きを伝える先行指標は、2ヶ月前に続き、またプラスで底打ちの気配だ。景気後退の平均的な長さは1年半程度であるのだが、半年程度で上向きそうな兆しが出てきているので『ミニ景気後退』と呼んでいるのだろう。数字で確認されない生産・販売の現場が意外に良いので、株価が先に回復しているという解釈もあるかもしれない。

欧州債務危機は、何とかこれ以上の深刻化は当面避けられそうだし、あとはアメリカの政府と議会で<歳出削減・減税打ち切り>を回避する方向で合意するかどうかである。2008年の米下院の迷走もあるので「だいじょぶか」という心配は残るが・・・ま、以前の投稿で「12月第1週辺りに何か波乱があって、いまの株価シャボン玉相場は破裂するのではないか」と予想しておいたが、それは杞憂であった確率が高まっている。
The Bundesbank cut its 2013 gross domestic product growth forecast to 0.4% from its June projection of 1.6%. The bank expects Germany to notch 0.7% growth this year, a marked deceleration from the past two years when GDP grew at rates of 3% or more.
"The cyclical outlook for the German economy has dimmed [and] there are even indications that economic activity may fall in the final quarter of 2012 and the first quarter of 2013," the Bundesbank said in its monthly report. Economists typically define recession as two consecutive quarters of contraction. (Source: Wall Street Journal, 2012, 12, 7)
ただドイツの生産は急低下しているし、中国の高度成長もどうやら終焉を迎えそうである。アメリカの住宅市場に底打ちの兆しが見られるのはよいのだが、しばらくは<鍋底>であろう。本格的な成長軌道再開のためには何かの<きっかけ>がいる。

景気循環論、日本経済分析で高名な経済学者・篠原三代平氏が亡くなった。合掌。

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