2013年1月7日月曜日

国益にマイナスならTPP不参加・脱退は当たり前である

与党政調会長である高市議員が次のように述べたとのこと:
安倍首相が交渉参加に踏み切った場合、党として容認する可能性を示唆したものだ。高市氏は「(交渉参加の可否は)内閣が決めることだ」とも指摘した。
 自らが主導する予定の党内議論については、「内閣の方針が出てきたら、守るべき国益は何か、どこまでは譲れないか条件を出し、『これを超えたら撤退する』とまとめ上げる」と強調した。(出所)読売新聞、2013年1月7日10時05分配信
国益にマイナスなら撤退するというのは当然だ。

但し、自民党のいう「国益」とは、どう定義されるのだろう?与党の言う「国益」とは即ち「党益」のことである。そう考える方が理にはかなっている。なぜなら文字通りの国益を求めるよりは、自民党の支持層 − この支持層という言葉がいずれか日本に実在する社会集団を指しているのかどうか、分からなくなっていると思うが − にとって共同利益になることを重視する誘因を政党なら必ずもつはずだからだ。その誘因に自民党が抵抗して、真に日本の国益に合致する選択をするという保証は、理論としてはないのだな。

とはいえ、いま安倍内閣は経済再生を最優先目標に掲げている。測定指標としては名目・実質GDPの動向であるという暗黙の了解も形成されている模様だ。

GDPは確かにカネで売買できる範囲の豊かさに限定されてはいるのだが、特定の階層ではなく、すべての国民の所得を合計した金額を測るものだ。その合計は、減るよりは増える方がいいに決まっている。増えてこそ全員が豊かになる可能性がはじめて出てくるのだから。その増える過程で、与党支持層が割合として、相対的に、得をするような政策を与党は選ぼうとするだろう。このくらいは仕方がないのだ。少なくとも<幸福>とか、<安心>とか、国家が勝手に決めた物差しで権力を勝手に行使するよりは、よほど実質がともなっている。政府がそう話している間は、反対する人はそう多くはない、小生はそう思って見ているところだ。

ということはTPP参加によって日本のGDPは − 日本人の、という意味でGNPの方を見るべきだが − 増えるのか、減るのか、その予測・見通しに帰着するわけである。GDPが減るというのであれば、これは理論経済学者なら文字通りにビックリ仰天するはずだ。仮に、そんな見通しが出てくるならば、脱退・不参加は当たり前のことである。

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