2013年2月5日火曜日

アメリカの株高をどうみる ― New Economy, again か?

前の投稿では、S市内のお洒落なカフェで同僚と会話した内容が書かれている。

もちろん、あんな話ばかりではなかったのだ、な。そういえばアメリカのニューエコノミーも話題になった。"ニューエコノミー"と言うと、1990年代によく使われた用語で、大胆に割り切ってしまうと<IT技術革新>と<中国の台頭>がリードした経済と言ってもいい。

小生: そのニューエコノミーは、やはり一巡しましたし、特に中国はこれからどうなるか分かりません。米民主党系のシンクタンクであるブルッキングスでは、中国で暴動が継続的に発生し、その暴動が革命に発展すると認識するとしたらどうする、オバマ政権はこの対応方針を検討しておく必要がある。そんなレポートすら出てきているようです。

それでネ、最近の経済指標を見ているんですけど・・・、ひょっとしたら第二のニューエコノミーじゃないかと、そう思っているんですよ。まずこのグラフ。株価ですけどね、


S&P株価指数が1600に近づくと、ほぼ常に石油価格が暴騰して、アメリカの景気はピークアウトしてきたんです、これまでは。ずっとその水準を抜けないできたんですね。それで今回、株価はリーマン危機直前のレベルに並ぶところまできている。

ところが、石油価格はあがってないんです。アメリカのセントルイス連銀が運営しているデータベース"FRED"でみんなとったんですが、


年が明けて1月はちょっと上がりましたが、足元では石油価格は弱い動きが続いてきました。これまでのパターンでは、生産が上がると、石油価格が上がり、それが家計の心理を冷やして、消費が頭打ちになる。そんな繰り返しだったんですね。それがない。消費者心理は、実際、改善されています。

同僚: これはシェールオイルとか、シェールガス革命なんでしょうかね?

小生: ご明察。エネルギー制約が緩和されて、アメリカ経済の天井が高くなったと言えるんじゃないでしょうか?住宅価格ももう底打ちしていると判断していい状況になっています。


同僚: 住宅建設はどうなっているんですか?

小生: 昨年の夏場から急増しています。アメリカの住宅着工は長期平均で概ね150~160万戸なんですね。それが50万戸くらいにまで激減していたのですが、今は90万戸程度にまで回復しています。今年のうちに120万戸まで回復していくのじゃないでしょうかね?消費者マインドを悪化させる要因は、かなり減っているように感じます。株価はもっと騰がる余地があると思います。

同僚: バブルになるんじゃないですか?

小生: 利益拡大の裏付けがあるならバブルとは言えません。ただシェールガスを輸出するべきかどうかで、アメリカ国内で論争はあるようですね。輸出すると、ドル高になるでしょうが、それはアメリカの製造業にはマイナスですから、『疑似オランダ病』に罹るかもしれません。でも、米国内石油・ガス資源にアクセスできるのは、アメリカ製造業にもプラスです。

同僚: シェールガスを採掘すると、土壌が悪化して取り返しがつかなくなるという副作用もあるんですけど、アメリカって国はこういうときは行きますよねえ、どんどん。

小生: 相当高度の採掘技術を必要とするらしいですね。経験もいる。R&Dで勝負できるのもアメリカに有利で中国には不利です。これからの10年は、過ぎた10年とは様変わりの様相で、それでもイノベーションの継続が決着をつける。そんな<ニューエコノミー>が展開されそうです。株価上昇とバブル発生の区別がつかない時代がまた来るような気がします。

× × ×

いやはや、こんな覚え書きに書いてみると、超強気の将来予測であるなあ、と。できうれば、この半分程度は実現してほしいものである。

3月3日に東京で某学会の春季集会が開催されるので出張手続きをしておいた。部屋に戻って、保険会社に電話をして、死亡保険1本と医療保険1本、それ以外の保険契約は全て解約したいと伝えた。もうそろそろ生命保険も卒業である。しばらくして、担当生保レディから小生の携帯に電話がかかってきて、昨年末から腰痛とひざ痛で、整体師に通院しており、ずっと会社を休んでいるという。書類のやりとりだけで解約手続きはできるから、自分が進めましょうと、わざわざ連絡をしてきてくれた。体が痛いのは、ほんと、大変だ。昔は、小生の下級生で、それは可愛らしい女子だったのだろうが、年齢というのは残酷なものである。








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