2013年10月19日土曜日

靖国参拝 ー これって「心の自由」のことなのか

またまた靖国神社が世を騒がせ、日本ばかりではなく、中国、韓国から抗議を招いている。真榊を奉納した安倍総理も「迂回参拝」だなどと批判されているようだ。アメリカも靖国については無関心というわけにはいかない様子である。

ところが・・・・・


新藤義孝総務相は18日午前、東京・九段北の靖国神社を参拝した。17日からの秋季例大祭に合わせたもので、参拝後、記者団に「個人の立場で私的参拝を行った。(玉串料は)私費で納めた」と説明。「個人の心の自由の問題だ。(参拝が)外交上の問題になるとは全く考えていない」と強調した。…… 一方、超党派の「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」(会長・尾辻秀久元参院副議長)のメンバーも18日午前、集団で参拝した。尾辻氏や高市早苗自民党政調会長、加藤勝信官房副長官らが参加。同会によると、自民、民主、日本維新の会、みんな、生活の各党などから計157人が参拝した。 (出所)時事ドットコム、2013年10月18日
総務相は「個人の心の自由の問題」、百数十名の国会議員が集団参拝したが、こちらは「みんなで参拝する」というのが狙いのようだ。「みんなで」とは言うものの、何かをきけば「個人の心の問題でしょ」と答えるのは目に見えている。

「心の問題」とはいうが、恋愛は自由だといって議事堂内で同僚議員とキスをすれば、その議員は非難されるだろう。この場合は、行動と場所が問題なのであり、人を愛するという心に罪はない。しかし、靖国参拝を「心の問題」と主張する議員は、その行動から外交問題を引き起こしているのに加えて、言っていることに<嘘>が混じっている可能性がある。

心の問題で意味している内容が<信仰>であったとすれば、「自分は国家神道の信者である」と言っているのと同じである。いくら心は自由でも「大東亜共栄圏の精神自体に間違いはなかった」と公に発言すれば、議員辞職するのが当然であるという戦後レジームを知らないはずはあるまい。それこそ変えたいものなのだと考えているなら、最初から「靖国参拝を問題視するその体制をこそ変えたいのですよ」と言えばいいのである。

<信仰>ではないというのなら、スピリットの事柄ではなく、俗世に関すること、言っている人が議員なのだから職業に関すること、要するに<票>であろう。右翼の票が欲しいために靖国参拝に名を連ねて、「心の自由の問題です」と言っておく。もしそうであれば、これは<欺瞞>であり、票が欲しくてやむなく参拝している以上はその議員に心の自由などはない。だから、<嘘>をついていることになるのだ。

靖国を支持する真の国家主義者などいても数名ほどであろう。永田町にサムライがいるとは思えない。ただ参拝して、黙して語らず、思想を伝えようともしない自称、いや現職であるには違いないか… 、国会議員たちは単なる烏合の衆のようにどうしても見えてしまうのだな。情けない……。これでは英霊達も泉下で涙が襟を潤し顎を伝わるであろう。

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