2013年11月15日金曜日

TPP − 合意直前の紛糾か、それとも決裂の始まりか

本日の道新1面には(トップではないものの)TPPについて以下の報道がある。

TPP、米が関税全廃要求 日本受け入れ拒否(11/15 07:05)

 環太平洋連携協定(TPP)交渉で、米国が日本に対し、コメなど重要5農産物を含む全品目の関税を撤廃するよう要求していることが14日、明らかになった。日本は拒否し、重要5農産物などの関税維持に理解を求めているが、米側は長期の撤廃猶予期間を設けることを譲歩の限度としているもようで交渉は緊迫度を増している。
 交渉関係者によると、米国からの関税全廃を求める通知は今月上旬にあり、続いて行われたフロマン米通商代表部(USTR)代表と甘利明TPP担当相との電話会談や、来日したルー米財務長官と甘利氏の12日の会談でも強く迫られた。日本側はその都度、受け入れを拒否したという。
 日本のTPP交渉参加に向けた4月の日米事前協議では、米国は重要品目の自動車について輸入自由化を認めたものの、関税の撤廃時期は最大限に先延ばしすることで合意した。米国は日本に対しても、関税全廃を受け入れれば、品目によっては10年を超える撤廃猶予を認める意向を伝えているとみられる。<北海道新聞11月15日朝刊掲載>

ところがこんな情報は、今朝の日経にはなく、読売にもない。Yahoo! Japan ニュースのTPP関連一覧をみてやっと見つけた。TV朝日系(ANN)で本日の朝5時56分に配信している。TV局がニュース源というのは妙だ。ネット上の朝日新聞DIGITALにもそんな情報はない。

どこから流れた情報なんだろうねえ……と。
ただ、内閣参与をしている経済学者・浜田宏一氏が、昨日以下の講演をしている。


TPP、コメ聖域化は駄目=安倍首相の政治力に期待-浜田参与

安倍晋三首相のブレーンである浜田宏一内閣官房参与は14日、秋田市内で講演し、環太平洋連携協定(TPP)交渉に関連して「コメをカロリー確保のために必ず保護しなければならないのかが、今、問われている」と、農林水産省のコメ政策に疑義を呈した。その上で「TPPがうまく働くには、コメを聖域にしては駄目だ」と、交渉進展には日本が関税維持を主張するコメの自由化が不可欠との認識を示した。
 さらに「農協や農水省は抵抗するが、それを取り仕切ることができる政治力が、首相には求められている」と強調。「日銀の抵抗を振り切って、正しい経済政策に変えることができた首相だ」と安倍首相の政治決断に期待を示した。(時事ドットコム、2013/11/14-20:45)
これは時事通信が流しているが、道新の記事は更に具体的である。
どうなっているのでござんしょう?
★ ★ ★

出所はよく分からないが、アメリカが自動車関税撤廃を決意し、日本は聖域5品目の関税撤廃を決意して、日米が原則合意するなら、世界の経済学者・エコノミストは拍手喝采するであろう。たとえ完全実施までの猶予期間が30年かかるとしても、関税の全面撤廃合意という結論は、それだけでも十分に日米はじめ太平洋周辺国家群の今後の「象徴」たりうるだろう。

0 件のコメント: