2014年4月21日月曜日

日中、どちらも首脳の取り巻きが悪すぎるのではないか

商船三井株が下げている。理由は、無論、中国の裁判所による船舶差押えである。本日の日経は以下のように報道している。
(13時55分、コード9104)下落。一時前週末比8円(2.2%)安の351円まで下落した。中国当局が19日に商船三井が中国で保有する大型輸送船を差し押さえたと発表した。今後の事業への影響を警戒した売りが出ている。商船三井に対しては、日中戦争が始まる直前に商船三井の前身となる日本の海運会社に2隻の船を貸し出した中国企業の経営者の親族が当時未払いの賃貸料や損害賠償を求めて提訴していた。中国での裁判では商船三井の敗訴が確定していたが、同社が賠償に応じていないとして上海海事法院(裁判所)が差し押さえを命じた。
 差し押さえを受けたのは鉄鉱石運搬船の「バオスティール・エモーション」。商船三井は敗訴確定後に、和解を求めて原告側に示談交渉を働きかけていたが、突然差し押さえを受けたという。同社の広報担当者は「情報収集中で対応策は決まっていない」とコメントした。
 市場では「現時点では業績への深刻な影響は織り込まれていないが、企業努力での解決可能かどうかは不透明な状況。同様の事例が続く懸念も出ている」(国内証券)との声が出ていた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
和解に向けて努力していたところ、突然、裁判所から差し押さえ命令が出たということだ。このところ、胡耀邦・元総書記の長男・徳平氏が来日し、安倍首相と会談したり、汪洋副首相が訪中した河野・元衆議院議長と会談するなど、今後の日中関係の改善を模索するような動きが見られていただけに、また「揺り戻し」かと。そんな心配をする向きもある。

「揺り戻し」なら靖国神社春季例大祭に新藤総務相や古屋国家公安委員長が参拝したことも「揺り戻し的行動」であると言えそうだ。また安倍総理の友人・知人グループの一員でNHK経営委員をしている長谷川氏が外国特派員協会で「積極的平和主義」と「自殺賛美」との関係について話したということだが、これも日本から発信されたブチコワシ的揺り戻しの一つに数えられるだろう。
埼玉大名誉教授でNHK経営委員の長谷川三千子氏が2014年4月15日、日本外国特派員協会で会見し、右翼団体幹部の野村秋介氏(当時58)が朝日新聞社で拳銃自殺したことを賛美するともとれる原稿を追悼文集に寄稿したことについて、自殺は「ミステリー」で、寄稿は「私自身の解釈を述べた」ものだと釈明した。…(中略)… 長谷川氏は、野村氏の没20年を機に発行された文集に、「人間が自らの命をもつて神と対話することができるなどと露ほども信じてゐない連中の目の前で、野村秋介は神にその死をささげたのである」といった文章を寄稿。これが「テロ賛美」といった批判を受けていた。 
この日の会見のテーマは、安倍政権が推し進める「積極的平和主義」。野村氏の自殺が「積極的平和主義なのか」と問われ、長谷川氏は「ある意味では、そうだ。一部のジャーナリストには、これが『ジャーナリズムへのテロ』だという誤解がある。本当にそれ(自殺)が意味するところは、彼に近い人にとってもミステリーだ。大きな謎(エニグマ)を残した三島由紀夫の自殺のようなものだ。多くの解釈があり得る。彼(野村氏)の自殺について、私自身の解釈を述べた」と述べた。
(出所)J-Castニュース、2014年4月21日

やはり安倍総理の取り巻きに属するとみられるNHK会長の籾井氏に至っては週刊誌に格好の話題を提供しつつあって、もはや全うな人物として見てくれる人がいるのかいないのか怪しくなってしまった。安倍総理自身は、対米外交も重要、対中外交も大事、対韓外交も大切で、それぞれ戦略的方針は固まっているのかもしれないが、『一体、どうしちまったんでしょうねえ、あの人たちは…』とでも言おうか、周囲の人がバラバラと勝手に言いたいことを言っては、トップの安倍総理にダメージが戻ってくる、そんなブーメラン現象が顕著に認められているのだ、な。ま、昨年末に自分自身でやってしまった靖国参拝が最大級の揺り戻しになったことも記憶に新しい。一部支持層に対するサービスなのだろうが、心から歓迎したグループはそう多くはないと思う。

「取り巻きが悪すぎる」というなら中国の習近平・国家主席もそうなのかもしれない。いくら文革期の下放で若い頃に苦労をしたと言っても、もともと革命期功臣を父に持つ太子党に属する人物である。政治基盤は、改革派ではなく保守派であり、国家の進歩よりも既得権益の擁護を重要視せざるをえない立場に身を置いている。この点は安倍総理その人と非常に共通していると思われるのだ。祖父や父が敵対していたのであれば、自分たちもまた互いの敵である。そういう血の宿命であるな。

日本から中国をみていると、次はどんな攻撃をしかけてくるか予想しがたい、そんな危険の香りが充満しているのであるが、中国から日本を見ていても『いまの安倍政権は危険でいっぱい』、そんな気分で溢れかえっているのだろうと察しはつくのである。

「取り巻きが悪すぎる」。この一言で総括してもいい。互いに敵視しあう状態を続けたくはないが、危なくて自分の方から融和的態度はとれない。それが現時点の日中両国の政権であると思われる。

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