2014年10月16日木曜日

10月は本当に「アノマリー」か?

ドイツ経済の後退、EU経済の後退予想に端を発した先行き不透明感から世界の株式市場が動揺している。

16日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は安値圏でもみ合っている。前日比350円程度安い1万4700円台前半で推移している。一時は下げ幅を400円超に広げた。世界経済の先行き不透明感が強まり、運用リスクを回避する動きが続いている。
(出所)日本経済新聞、2014年10月16日

今年前半は、株価があまりに凪状態で変動しない。『これはおかし過ぎる』と指摘されていた。それが夏場を過ぎると、一転俄かに風雲急を告げてきたというわけだ。これもおかしなことだ。

今回の下落の発端は「EU景気」といわれるが、このこと自体は対ロシア経済制裁、ドイツ経済への打撃など、一連のつながりからEU景気の後退は半ば予想されていたともいえる。

予想されていたことが、さて現実になったからといって、株式市場が動揺するというのも奇妙な話ではないか。マスメディアの解説はどうも浅い。そう感じるのは小生だけだろうか?

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ま、上の話しはともかく、9月後半から10月に入るころ、この先もAmazonやFBを持っていて大丈夫だろうかと気にはなっていた。

大体、1929年大恐慌のきっかけになった「暗黒の木曜日(Black Thursday)」は10月の出来事だった。また、日本がバブル景気に足を踏み入れるきっかけになった1987年10月19日「暗黒の月曜日(Black Monday)」も10月である。2011年の「リーマンショック」は9月15日。どうも9月から10月にかけては何が起こるか分からない「危ない季節」なのだな。

危ないからリスクを意識する。だから早めに売る。株価は下がる。しかしながら、10月に下がるのなら、絶好の買い場であるはずで、株式投資を考えている人は7月や8月には買わず、下落する確率の高い9月、10月を待つはずだ。なので、合理的に市場価格が形成されているなら、結果として9月、10月はことさらに株価暴落が発生しやすい季節ではなくなるはずである。ところが、現実には今頃の季節、株価は暴落しやすい傾向がある。これは確かにアノマリー(=正常ではない、おかしな現象)だと思うが、どうだろう。

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数字を冷静に見ると、EU全体の景気は(今のところ)おしめり程度の減速である。アメリカ経済に異常は見当たらない。OECD全体をみても急速な崩壊が心配される「バブル」が進行しているわけではない ― 心配があるなら中国経済くらいだろうが、共産党政権は危機に際しては何でもできる権力を有している。しいて言えば、エボラ熱の感染拡大、イスラム国の影響拡大、パキスタンタリバンの影響拡大、シリア問題、イラク問題……まだあるか、心配事は?秩序維持のための世界的メカニズムは作動しているのか?

10月だから株価が動揺しているのか?現時点の世界情勢の実態を反映した本物の動揺なのか?数字だけを見れば、余裕資金があったら米株に追加投資したい位なのだが、この見方が正しいかどうか、まだ定かではない。

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