2015年4月24日金曜日

経済の日経にしては解せんこと

ドイツの一般紙"Frankfurter Allgemeine (FAZ)"にアマゾンの直近四半期の業績が報じられていた。今月23日付けである。
Der weltgrößte Online-Einzelhändler Amazon arbeitet wieder mit Verlust. Im ersten Quartal gab es ein Minus von 57 Millionen Dollar nach einem Gewinn von 108 Millionen Dollar vor einem Jahr. Der Umsatz wuchs um 15 Prozent auf 22,72 Milliarden Dollar, wie Amazon nach amerikanischem Börsenschluss am Donnerstag mitteilte. Beides war am Markt in einer ähnlichen Größenordnung erwartet worden. 
Die Aufmerksamkeit der Investoren zogen aber die erstmals veröffentlichten Zahlen zum Cloud-Geschäft auf sich. Demnach setzte Amazon im vergangenen Quartal mit den Dienstleistungen rund um Services aus dem Netz 1,57 Milliarden Dollar um. Das war ein Sprung von fast 50 Prozent im Jahresvergleich. Das Cloud-Geschäft verdient auch Geld mit einem operativen Ergebnis von 265 Millionen Dollar. Die Investoren wollten schon lange mehr Klarheit darüber, wie das kostenintensive Cloud-Geschäft bei Amazon läuft. Die Aktie legte nachbörslich zeitweise um mehr als vier Prozent zu.
Source: Frankfurter Allgemeine Zeitung, 23-4-2015

 見出しだけを見ると”Amazon macht 57 Millionen Dollar Verlust"となっていたから、『やれやれまた赤字決算か・・・』と、うかない気持ちでアマゾンの株価を確認したところ、意外に上がっていたので驚いていたのである。

赤字は赤字でも投資家は内容の良さを評価した。そういうことであるようだ。アマゾンのクラウド事業が前年比50%のペースで急速に規模を拡大しつつある。クラウド事業は恒常的な収入源にもなる。この分野はITメガ企業がどこも関心をもっていて価格競争が激化しているということであったが、アマゾンの提供するAWS(Amazon WEB Services)はここにきて業界標準となりつつある。そんな機運が出てきているのだろう。それでアマゾンの株価は4%あまり上がっている、と。

さてと・・・やっぱり独語は読みづらいわい。というので日本経済新聞を検索してみた。ところが出ないのだね。

上に引用したFAZの記事はこの後、マイクロソフトの業績、グーグルの業績を紹介している。小生が見たかったフェイスブックは前四半期に赤字決算を出して、案の定、株価は2%ほど下がっていたので、この辺をどうみるか。投資家の見方を知りたかったのだが、FBの解説はなかった。それでも、米国のITメガ企業の足元の業績については、当然のことながらドイツ人も関心をもっている様子が伝わってくるではないか。ドイツ人でアマゾン株やグーグル株を持っている人も多いだろうし、クラウドサービスの将来性を把握したい人も数多いるだろう。そして、この点は日本人も同じであるはずなのだな。

ところが、日本を代表する日本経済新聞ともあろうものが、何も書かない。おかしいねえ・・・ないはずはないのだが。しかし紙面にはないし、検索にもかからない。

小生の調べ方が下手なのか……。

Wall Street Journalは自国のことなので勿論このAmazonの成果は記事にしている。

【追伸】

おかしいねえと思っていたら、本日の夕刊でAmazonの報道が出た。
【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムが23日発表した2015年1~3月期決算は、最終損益が5700万ドル(約68億円)の赤字(前年同期は1億800万ドルの黒字)となった。赤字は2四半期ぶり。積極的な先行投資に加え、ドル高の影響で海外収益が目減りしたのが響いた。売上高は前年同期比15%増の227億1700万ドルとなった。

 今回の決算で初めてクラウドサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」の業績を公表した。利益は前年同期比8%増の2億6500万ドル、売上高は49%増の15億7千万ドル。収益性が市場の一般的な想定よりも高いことが分かった。同分野でアマゾンは市場シェア約3割を握る最大手。ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は「AWSは(売上高で)年間50億ドル規模の事業で、急成長が続いている」との強気のコメントを出した。

 新たな事業の柱が順調に成長していることに反応し、同日の米株式市場の時間外取引でアマゾンの株価は同日終値から一時7%上がった。
何だか文章の展開順序は上のドイツ紙とほとんど同じだなあ・・・。まあ、いいか。どちらにしても、ビッグデータビジネスの覇権争いから当分目が離せないのは分かっているだろう。

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