2015年4月8日水曜日

悪行の汚名を雪ぐのは至難の業と決まっている

アメリカのランド研究所のことを書いた本となると核戦略の大家・ウォルステッターが半ば主人公のようになる。

その体の文庫本である『ランド 世界を支配した研究所』(文春文庫)をまた本棚から出してパラパラ読んでいると、最後の文句がきいていた。シェークスピアの「ジュリアス・シーザー」に出てくる一句だ。
人の悪行は死後も生き長らえるが、善行はしばしば骨とともに葬り去られてしまう
人を国と読み替えても(あるいは会社と読み替えても)意味が通じる所が面白い。『知らず悪行を犯すものこそ哀れなれ・・・』。親鸞の悪人正機説にたてば悪行は罪であると同時に業でもあり阿弥陀如来の慈悲の対象となるのだが、残念ながらこの思想は世界に普遍化されてはいない。

それにしても、中国のインフラ投資銀行(AIBB)をめぐっては「戦わずして勝つ。これまさに孫氏の兵法である」などという評論家も多いようだが、この辺、あまり面白い論評を米紙でもあまり見ない。多分、小生の勉強不足なのだろう。

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