2015年5月12日火曜日

顧客サービスに働き甲斐を感じるか

隣町にあるサテライトに配置されているPCにRとRコマンダーをインストールしておこうと思い、昨日、出かけてきた。ネット経由でやるのが当たり前だが、セキュリティ管理が厳重すぎるのだろうか、接続はできるのだが、ダウンロードが進行しないのだな。原因はよく分からない。だからR本体とパッケージ90個をUSBに入れて持参した。切った貼ったの原始的なインストールだ。

それにしても今年度の統計分析の授業は、コマンド画面ではなくメニュー式にしてRコマンダーを使うことにしたのだが、おかげで環境整備が面倒になって、簡単インストール一発ではすまなくなった。履修者が所有するPCにまで残らずRコマンダーのインストールを求める授業スタイルはあまりないのではないか。これ自体がギャンブルだ。

とはいえ、R本体は一発インストール。Rコマンダーだって、ネットに接続したうえでRを起動させて、あとはパッケージインストーラーを選ぶだけだ。何ということはない作業なのだけどねえ・・・。なぜ難しいのかわからぬ。

まあ、実習用PCの3台にでも入れておけば、あとは「駄目ならそれを使え」と。そういう方式にせざるを得まい。

作業でうっかり忘れたことが二つある。一つは、"C:\Program Files\R\R-3.1.3\etc"ディレクトリーのRconsoleを編集し忘れた。Rコマンダーの使用が前提なので、その中の"mdi"を"no"(=sdi)に変更しておくべきだった。それと、Rの起動アイコンのプロパティを編集して、"C:\Program Files\R\R-3.1.3\bin\x64\Rgui.exe" R_DEFAULT_PACKAGES="Rcmdr"にしておくと更によかったはずだ。Rコマンダーが自動で立ち上がるから。まあ、ここまでしなくともコマンド画面から "library(Rcmdr)"と打てばいいわけなのだが、これをキーボードから入力することも難しいと感じる履修者がいる可能性がある。これも教育産業における顧客サービスである。

本当は個々の履修者が成長していく潜在的可能性をお節介をやくことによって奪っているのが現実なのであるが、そのことを理解する学生は案外いないものである。

まずは『使いづらい箇所があったら、言ってください』、当面はこの位でお茶を濁しておくとするか。

× × ×

その帰り、バスで大学に戻る途中のことだ。

ある信号でバスが停まった時、ふと窓の外をみると年齢は20代後半だろうか、ちょうど小生の愚息と同じ年頃の一人の青年が立っている。と、信号が青に変わり歩き始めた。スーツは最近の流行に沿って上着の丈が非常に短めで、ウェストを相当絞ってあつらえている。その上着のボタンをとめ、右手には上等の鞄をさげているから、どこから見ても有望な若手営業マンである。ところが、歩いている姿は下向き加減で元気がない。疲れ果てているのか・・・、そうか3時を過ぎて一度社に戻っているのか。それにしても元気がないなあ。『会社、辞めんなよ。ところで、その服、きつかないか?』、そんな感覚で、その若者を目で追ったのだな。

帰宅してカミさんにその青年の話をする。

カミさん: 会社の中で事務をやっていれば楽なんだろうけどねえ。 
小生: だけど、外回りの営業はしんどいけど、大手柄をたてるチャンスでもあるんだよ。大きな獲物をとってくれば出世もできるんだからさ。ま、失敗すれば怒られるし、評価も下がるけどね。 
カミさん: 最近の若い人は裏方の仕事が好きみたいよ。 
小生: 安定してるからかなあ・・・だけど一定の仕事を安定してやるだけなら、評価もされないよ。評価されなきゃ、給料も上がらないだろ。 
カミさん: いいんじゃないの。 
小生: う~ん、おれのとは違うなあ。希望がもてん。

こんな話をしたのだが、最後まで残った思いは『会社に採用されて仕事をすれば給料はもらえるが、何を生きがいにして生きていけるのか、いまの時代に』、こんなことだ。亡くなった父の時代は働けば働くほど会社が成長した。小生の時代は解決するべき負の問題が山積みだった。生き残るために構造改革とリストラに手を付ける必要があった。

今後の日本。やりようによっては、会社は成長しない。勝負をかけるチャンスは少ない。大企業で取締役になるチャンスがどれほどあるか。命令に従い、指示を守り、会社につくすのは良いが、自分をころして組織に従うモチベーションはあるのだろうか。人生は一度きりなのだ。

ま、それでも目的を与え、士気を奮い立たせるのがトップの仕事だ。いくら嫌われても海外に進出すればいいのだ。それって経済的侵略主義になるのか?いや経済は相互利益になっていなければ持続不能だ。そこが軍事とは違う。軍事は相手から奪うが、ビジネスは新しいものを造る。ともかく、時代の風に乗って、みんなで成長できる見込みはもはやない。ライバルを食わないと成長しない。そんな時代のトップは相当のワルでないと務まらない。それは分かってはいるが、ついていくのも大変だ。これからビジネスマンになる若者は何を生きがいに仕事をしていくのだろう。



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