2015年11月20日金曜日

売れるには「イイ物」を作る必要があるのは確かだが

先日、IT系企業の比較について本ブログに投稿したところ、またまた、こんな見方に遭遇した。本当に、多いのだな、こういう考え方は。

タイトルは『スパコンの研究開発費は「浪費」ではなく「投資」 行き過ぎた「仕分け」に注意』という。

冒頭に相当の迫力がある。
日本の技術力の高さを証明する結果が出た。
理化学研究所は18日、スーパーコンピュータ(スパコン)のビッグデータ処理(大規模グラフ解析)性能を競う国際ランキング「Graph500」で、理研のスパコン「京」が1位になったと発表した。7月に続き、2期連続の快挙となる。
(出所)The Liberty Web, 2015-11-19

プロダクト・アウトというハイブラウな用語を使うまでもない。よくあるよね、こういう言い方、である。



この1年で何度『日本の技術力』というキーワードを見たり、聞いたりしたことだろう。もう数えきれない。

技術力がいま日本の誇るべき『お家芸』なのだろう。

技術力は高いにこしたことはない。

しかし、技術力=イイ物をつくる力。そう考えるなら、これは問題だ。

実際には、悪いものが売れて、イイ物が売れないケースは、数えきれないほどある。それは、イイには違いないが、高すぎて勿体なく、その割には使い道に乏しいからだ。イイ物は、しばしば役には立たないがイイのだ、な。小生もそんな感性は好きだが、健全な感覚でもないことは自覚している。イイ物は、イイが故に、それ故にこそ「浪費」であることも大変多いと感じているのだ、な。

小生、へそ曲がりである。イイ物偏重は不健全であると断言したい。


昨日の野球・日韓戦の試合後に韓国のキム監督が言ったそうだ。『強者が弱者に負けることもある』、と。

イイ物だとアピールすることは悪い事ではない。しかし、使ってみて『確かにイイ物だ』と言ってもらうことが最終目的だろう。だとすれば、まず使ってもらうことが先に来る。使い続けてもらうことが最も大事だ。これは時代や国を超える真実である。

イイ物、イイ人、イイ施設、イイ場所・・・、イイのに消えていくものは余りに多い。『劣ってあれる(=can be low and poor)』ということが勝利の一因になることがある。

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