2016年7月14日木曜日

7月6日への補足: 消費税率引き上げも必要だろうが

高齢者層は基本的に不労階層。得ている所得は不労所得である。

生計費は、ロジックとしては貯蓄の取り崩しで賄うか、その時点のGDPからもらう(=所得再分配)方法しかとりえない ー むろん他者の資産を当てにする道(=資産課税)がないわけではないが。

大多数の高齢者を支えるのは所得再分配によるしかない。しかし、税率引き上げに耐えられる勤労者はそれほど多くいるわけではなく、貯蓄率が高いわけでもない。

前の投稿で述べたように、第4次産業革命や自動化・AI化、ロボット革命がこれから進行するとすれば、労働需要が抑えられ、利潤分配率が上がることが予想される(そうならなければおかしい)。資本所得を税源にするのが自然だ。


こんな状況で、法人税率を引き下げ、消費税率を上げるというのは、(ロジックとしても政治的にも)難しいし、効率性が低い。挑戦を繰り返しているうちに問題が拡大する。

<法人税率引き上げ等企業課税強化+特定先端投資減税拡大>の合わせ技が最善だと思われる。

実際、日本の民間企業は国内投資を抑えながら、内部留保を蓄積し、海外で資産を運用するという傾向がますます強まっている。本来は配当に回せば、所得税で収納できるのだ。

もちろん消費支出は社会の中で最も安定した税源だ。消費税率を15%まで引き上げるのが望ましいと、それは同感だが欧州のように20%、22%、25%という水準にまで引き上げるのは文字通りの「泥縄」だ。「だから軽減税率」というわけだが、すでに高齢化社会がそこにある現状では時機を逸してしまった。実現不可能ではなかろうか。

欧州の付加価値税(VAT)は大勢が20%台であり、日本の消費税の手本にもなっているので、税務当局も周回遅れで税率引き上げに執着しているのだと思われるが、何事にも時機と好機、タイミングがある。タイミングを間違えると、好手も悪手となる。

新たな<税制戦略>が必要になってきている。TPPもそうだが、高齢化を支える産業構造、技術基盤を促進するという戦略眼がなければならない。

国際的共通税制などは夢のまた夢、欧州内財政移転も「日暮レテ道遠シ」というところだろう。


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