2016年7月2日土曜日

ポスト”BREXIT”: 英国株の怪(?)

英国の離脱派の巨頭と目されていたボリス・ジョンソン氏。仲間のゴーブ司法相の裏切りにあい、あえなく党首選辞退のやむなきに至ったとのこと。

 ゴーブ氏の友人によると、ジョンソン氏による英紙デイリー・テレグラフへの寄稿文が難解で、指導者としての資質を懸念する声が保守党内に一層高まったという。

 非難の応戦も始まった。ジョンソン氏の友人はこの記事は「ゴーブ氏が校正した」と証言する。また党首選運動の混乱も、運動を率いたゴーブ氏が原因だと主張する。

 29日夜、ある電子メールが流出した。書いたのはゴーブ氏の妻で英紙デイリーメールのコラムニストでもあるサラ・バイン氏だ。バイン氏がジョンソン氏の性格を疑問視する内容だった。

 バイン氏はこのメールの宛先を誤り、結果として民放スカイニュースが入手したという。だが「流出を前提に書かれている」とジョンソン氏の支持者は話す。

 真実がどうであれ、ジョンソン氏が出馬表明をしようかという日に大きな痛手となった。各紙は内容を1面で報じた。

 ゴーブ氏は30日朝に決定打を加えた。午前9時すぎのプレスリリースで出馬を表明。ジョンソン氏の指導者としての資質に疑問を投げかけた。

 ゴーブ陣営は事前にジョンソン氏に電話で知らせようとしたが、つながらなかったとしている。ジョンソン陣営は「着信はなかった」と反論する。

 ジョンソン陣営ではある臆測が広がる。ゴーブ氏はキャメロン首相の辞任に罪悪感を感じ「ジョンソン下ろし」に加わったというものだ。

(出所)日本経済新聞、2016年7月2日、(元記事)Financial Times


欧州においてもやはり「裏切り者」の烙印は成功への最大の障害となるようだ。ジョンソン氏の父親はゴーブ氏の突然の背信を聞き、"...and you, Brutus"と言ったとか。


7月1日付のTelegraphには次のような報道があるので、いまの英国政界は一寸先が闇である。

Andrea Leadsom was last night emerging as the pro-Brexit choice for Conservative leader after support for Michael Gove faltered in the wake of his plot to remove Boris Johnson.
The Telegraph understands that around 30 MPs who had previously declared their support for Mr Johnson will next week endorse Mrs Leadsom, making her the most popular anti-EU candidate.
Mr Gove - who had hoped to become the leading Brexiteer in the race - has instead been ostracised by MPs furious at what they regard as an act of "treachery" following his decision to abandon Mr Johnson at the eleventh hour and run for the leadership alone.

レッドサム議員ですか・・・。

知恵は称えるが、と同時に背信的行為を憎むという人間の微妙な心理は、古典古代のトロイア戦争の時代から現代にいたるまで、同じである。

だから同じような行動がそのまま反復されているわけであり、だからこそ時代を問わず、権力闘争は外部の人間にはとても「面白い」のだ。




それにしても、こんな政治ドラマが進行中のイギリスお膝元の英国株を、小生、物好きにも買ったのが5月から6月23日まで。

「離脱」と出て、非常に下がりましたー日本株も同時に下がり、かなりの損になった。

しかし、今日現在、下がったままの日本株の損失を、国民投票前の水準を超えて回復してきた英国株の値上がり益でカバーしている状態である。

これは英国株の怪というべきか、冴えない日本株の怪というべきか・・・。

これもポンド安、円高という為替相場のなせる業と言われれば、経済の理屈は通る、どうせ一過性の怪であることはわかる。

それでも常識では解せないねえ、火元は英国だっていうのにねえ。そんな心境だ。

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