2016年8月22日月曜日

(昨日の続き)素人のスポーツ談義

昨日はリオ五輪のことだったので、今日は夏の甲子園大会でいま話題になっている点に触れておきたい。

熊本代表の秀岳館が批判、というより「非難」されているそうだ。というのは、(最近はよくあることだが)選手全員が熊本県外出身者であるからである。そう報道されている。たとえば:
様々な話題をふりまいた夏の全国高校野球選手権甲子園大会も佳境に突入。優勝の座をかけて20日に準決勝、21日に決勝を行う。ここまで勝ち残るチームはどこも強豪で、充実した施設とスカウティング網をもっている。 
県外から「野球留学」してきた選手がレギュラーとして出場しているチームも多く、毎年「規制するべきではないか」との声があがるが、とくにルールが設けられていないのが現状。 
「おらが街」のチームを応援しようとメンバーをみたら全員他県出身者だったとなれば、複雑な感情を抱く人がでてくるのは当然だ。 
そこでしらべぇ編集部では全国の男女に「高校野球の地元代表チームに他県出身者が入っていることについて違和感を覚えるか」聞いてみた。

結果、世代があがるほど違和感を覚える割合が増加することが判明。20代は2割程度であるのに対し、40代は5割が複雑な感情を抱いている。 
野球留学が一般化し「あたりまえ」と感じている世代と、当該県出身者で甲子園に出ることが常識と感じる年代の違いかもしれない。 
今大会の出場チームも、県外選手が主力に名を連ねているチームが多い。とくに熊本県代表の秀岳館はベンチ入り選手全員が県外出身者。スタメンの半数が、監督が以前指揮をとっていた大阪のボーイズリーグ出身となっている。 
それだけに県内での風当たりは強いようで、県予選の観客たちはまるで県外のチームと戦うような目で相手チームを応援したという。しかしこれも「甲子園で勝つため」だそうで、手段を選ばず勝ちにいくことが使命と考えているようだ。 
これは秀岳館ではなく、高知県代表の明徳義塾や八戸学院光星も同様。県内選手は殆どおらず、大阪や東京などの県外出身者が中心。地元ファンは複雑な心境をもち、野球留学されてしまった県のファンからは嘆きの声があがる状況だ。(後略)
(出所)@niftyニュース、2016年8月20日

小生が暮らしている北海道の代表は北海高校であったが、選手のほとんどは道内出身であるそうだ。この事情は、10年ほど前に3連覇の寸前まで達成した駒大苫小牧も同じであったときくーV2と3年目の準優勝のエースであった田中投手は大阪出身だったと聞くが。このことが地元・北海道内の共感形成にどれほど寄与したか分からない。


まあ、とにかく小生は保守的、つまりは昔は良かったと語ることが多い右翼である。だから、この件については「全員が県外出身者なんて、その地域代表であるはずがない」。そう断言する。

だって、プロ野球でも外人枠があるんだよ、と。優勝したいなら日本ハム球団だって、どこから選手を調達しても自由でしょ、と。プロなんだから。優勝したいのだから。しかし、外人枠でそれは制限されている。自国の日本人選手がチームの多数を占めること。そう制限されているんだよね、と。プロでもそうなっているのだ。

高校に入学するまで、本人も両親もその県のどこにも住んだ経験がなく、親戚もおらず、その県とはまったく無縁で、ただ野球をしたいのでその県内に進学したのであれば、その県からみれば「県外者」である。100パーセント、県外者で構成される野球チームは、現時点でもちろんその県に居住しているのだが、「地域代表」となる資格を欠いているのではないか。極めて常識的な問いかけである。

そもそも県外出身者のみで構成された学校がその県の地域大会に出場することで、その県の出身者は大会出場機会を幾分かずつ奪われるのだ。地域代表制をとる甲子園大会の原則と矛盾している。

学校進学の自由はあるが、地域代表制をとる限り、「県内出身者」が過半数は占めているべきである。小生はそう思うー「県内出身者」の定義はそれなりに決める必要があるが。

上の議論は実にロジカルである。プロ野球のルールとも整合性があってバランスがとれている。


が、当の選手個々人に責任はまったくなく、そのようなチーム編成をとった当該高校にも責任はない。

地域バランスというトンチンカンな美名(?)、というより勘違いから、こうした学校経営戦略を容認してきた高野連と朝日新聞社に運営責任がある。

オリンピックに限らず、スポーツはそれ自体としては清々しく、プレーしている選手に雑念が入り込む隙はないはずなのだが、大会を主催し、集客している機関、関係している組織がとっている行動には、何がなし政治的要素が混じるのは、そもそも当たり前のことだ。優勝経験のない県が甲子園大会で躍進する。それはその県における朝日新聞の販売部数拡大に資するのだ。これまた現実だろうと思うのだ、な。

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