2017年7月16日日曜日

断想: 変わらない要素が歴史の一貫性をつくる

どうやら北朝鮮を相手に軍事行動を展開するのは危険すぎて不可能であるようだ・・・、当たり前のこの事実をアメリカ・トランプ政権も理解して来たようである。だから「戦略的忍耐」があったのにネエと、今更気がついても遅いワイ! と言っても仕方がないか。

中国がつないでいた北朝鮮という名前の狂犬が、トランプと名乗るならず者と仲良くし始めた主人に疑いをもって、暴れまわったあげくに綱を噛みちぎり、みんなが困り果てていたところ、ロシアの狩人プーチンが力づくで犬を抑え付けて、ロシアの番犬にした。
 ま、こんなところではないかと。

思うのだが、一人の人間であっても若い頃の夢はなんども思い出すものだ。そういえば『初恋はまひるの月のようなものだ、見えなくてもそこにはあって、暗くなるとまた姿を現す』、何かこんな文句を聞いたことがある。夢も初恋も似ているところがあるのだろう。

一人の人間でもそうだから、民族や国となれば、一度もった夢は100年も、200年も見続けるだろう。

アメリカの夢は周知のように20世紀初頭以来、中国という巨大マーケットでビジネスを展開して大儲けすることだ。日本はその前に障壁を築こうとしたのでアメリカの敵になった。いまは、当の中国政府から自由思想が警戒され、いまだ見果てぬ夢のままである。

ロシアの夢は満州と朝鮮の獲得である。日露戦争は、それを心配する日本が早手回しに行った予防戦争であった。ロシアは日露戦争で夢が一度は途絶え、その後のロシア革命によりロマノフ王朝は倒れ、ソ連が引き継いだが、そのソ連もすでに消え去った。が、ロシアとして同じ夢をまだ持っていてもおかしくはないし、夢は夢であってこそ夢であるというなら、同じ夢を確実にいまももっているだろう。

第2次世界大戦で、国際情勢はまったく様相を変えたようにみえるが、結局同じところに戻りつつあるのかもしれない。

中国が分裂するとすれば、南と北に別れると思っていたが、まずは満州(=東北3省)とモンゴルを包む辺りで不穏な空気が醸成されてくる。こんな進展もあるかもしれないと思い始めた。

GDPなどという数字は余り使える指標ではないのだな、こういう場合は。核兵器を持っていても機能しないだろう、こういう場合は。

東北部が中国であるのは清王朝の遺産で、その清王朝がなくなったいま、元々中国であったことはないのが満州という土地だ。

歴史は繰り返すと言われるが、そのままの形で繰り返されることはない。人間は歴史に学ぶことができるので、予想できる結果を避けようとするからだ。しかし、ずっと同じ夢をもち、同じ動機を持ち続けるのも人間の常だ。同じような出来事がなんども反復されるのはそのためだ。そして、最後に決定的(=final, absorptive)な結果がもたらされて、歴史は大きな曲がり角を迎える。そう思っている。

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