2017年11月4日土曜日

現代社会を象徴する迷宮: 年金制度

60歳を超えてからも国民年金には任意加入をして<継続>してきたと思い込んでいた。ところが、先日届いた基礎年金支給額の証明書をみると<満額>ではない。吃驚して色々と調べてみると、国民年金の任意加入手続きは居住する市役所で行うことになっている。ずっと以前、60歳になったときに勤務する大学内で年金関係手続をしたのだが、そのとき『年金関係はこのまま継続しますか』と、そう聞かれたのを記憶している。『ええ、継続でお願いします』と、そう答えたのだった。にも関わらず、だ。「国民年金への任意加入手続きは今回の手続きには含まれておりません」とか、「任意加入は市役所のほうで行ってください」とか、一言あってもよかったのではないか、と。そんな憤りを感じたのだが後の祭りと思うことにしていた。

それが少し以前のことだ。

カミさんがもう少しで60歳を迎える。これまでは小生の給与で国民年金保険料を払っていることになっていた。いわゆる専業主婦の「3号被保険者」である。小生はカミさんが60歳を超えても給与をもらう。カミさんは、しかし、60歳を迎える。「保険料支払ったことにしてくれるのかなあ?」、そういう疑問で、年金機構に電話をかけてみたのだな。

カミさん: やっぱりネ、払わなくても払ったことにしてくれるサービスは60歳で終わるんだって。その後、任意加入したいなら市役所に直接いって、手続きしてくれっていうことだよ。 
小生: やっぱりそうか・・・とにかく60歳で切れるんだな。給与はもらい続けるけど、それまでは払ったことにしてくれる、誕生日の後は払ったことにはしてくれない。自分で払いなさいと、そういうことか。なんか可笑しいけどねえ。 
カミさん: サービスだって言ってたよ(笑)。してくれるのはサービスだって・・・でね、その手続きはまだ出来ないそうよ。誕生日の前日から手続きが可能ですからって(笑)。そういう<規則>なんだって。あっ、それからネ、旦那さんが勤務し続ける場合は60歳からあと、国民年金への任意加入は認められないことになってるって。だから、大学の事務の人のせいじゃないんだヨ、定年が63歳だからさ、仕事を続けるでしょ、だから国民年金には入れなかったって事。 国民年金は入れないけど、厚生年金には入っているはずだから、そちらが増えてるでしょって、言ってたヨ。国民年金は、平均で1年63万円くらいなんだって。満額支給の人って、あんまりいないみたい。
小生: じゃあ『年金はこのままで行きますか?』というのは一体なにを聞いたのかなあ・・・ 
カミさん: でもおかしいよねえ、60歳からあと、▲▲タンは給料はそのままもらっていても保険料は払わないことになった。でもワタシの保険料は払ってなくても払ったことにしてくれていた。 
小生: これは分からないヨ。知らないうちに未納になったり、払っているつもりがいつの間にか払えなくなっていたり、一体全体、こんな制度は誰が作ったのかねえ・・・??
すべて制度は「そうなっているんですから」と思って、個人個人の行動の大前提として受け入れれば、大前提自体の合理性を問題視する必然性はない。そうなっているものとして、後の合理性を確保すれば、それで最適化されるからだ。

しかし、現在の年金制度、ずっと昔にフレデリック・フォーサイスの『悪魔の選択』を耽読したものだが、まさに今の年金制度は「悪魔の制度」であるような感じがする。

複雑にして精緻、精緻にして理解不能。しかし、機能している。

一体、だれがこのような制度を構築したのであろうか。

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