2018年3月7日水曜日

一言メモ:対朝鮮半島外交に戦略余地はまだまだ残っている

韓国・文在寅大統領は小泉純一郎元首相と同じタイプの、よく言えば「信念」がある、悪く言えば「これだけは」という「妄執」だけがあるシングルイシュー・ポリティシャンであるように見受けられる(と思っていた)。

そうしたところ、北朝鮮・金正恩委員長から「望外の合意」を引き出し、一先ず欣喜雀躍、宥和戦略の初戦で大勝利をかちとった様子である。

ただ、永続的平和に向けての今後将来の進展を予想すると、文字通り、難問山積。どこかで岩盤のような障壁に衝突し、米中ロ(それに日本?)の思惑から、迷走する可能性が強い。愚かな政治家がどこかの時点で登場すると何が起こるかわからない。

そもそも宥和戦略の当面の成功の背景として強烈な経済的締め付け(=制裁)が継続中である点を無視できない。宥和だけがあったとしたら金正恩委員長は歯牙にもかけなかったろう。ムンさん、制裁の成功を自らの戦略に利用して抜け駆けをした、と。そう言えないこともないのだな。

さて、現状をどうみるかはさておき、今日は一言メモ:

先日の投稿では、もう北朝鮮を国家として承認してしまったらどうだろう、と。そんなことを書いたが、日本はそうしてもプラスにこそなれ、マイナスにはならないと益々思っている。

30年〜50年の超長期スパンで予想すると朝鮮半島の、特に北半分の運命は二つの可能性のいずれかしか歩めないだろうと見ている。

  1. 朝鮮戦争の終結と現状固定を関係国で盟約し北朝鮮を東アジア国際関係の中に組み込む。
  2. 北朝鮮の国内経済が崩壊し、国家としての機能を喪失し、中国の実質的属国となる。

まあ、まずはアメリカが北朝鮮をどうするつもりなのか。ここが決まらないと日本が仮に「承認」するとしても、最終的結論には至らない。

要は、アメリカが北朝鮮というアジアにおける敵対的存在を必要としている。最後はこの点に戻ってしまうのだ、な。

0 件のコメント: