2019年11月7日木曜日

晩秋断想:2019年11月

君主制の国家には皇帝なり国王がいる。しかし、王様が社会の全てを知ることは出来ない。そこで賢臣や佞臣が政治を左右する。そして王様は「はだかの王様」になる。

民主制の国家なら主権は国民にある。しかし、「国民」という名の人物がいるわけではない。一人一人の住民が社会の全てを知ることは出来ない。そこでマスメディアが生まれ、良質なジャーナリストや悪質なジャーナリストが政治を左右する。そして「国民」は「はだかの国民」になる。民主主義は「はだかの民主主義」になる。

★ ★ ★

向上しようとする人間の心には瞋恚、倦怠、嫉妬などの煩悩が生まれる。煩悩の炎に焼かれるとき、その炎が実はいかに美しく昇華されるかを知るとき、人は癒される。モーツアルトの音楽の魅惑の本質はここにある。

★ ★ ★

幼いころ、嬉しいこと、悲しい事、全ての事には親がいる。親がいなければ誰か大人がいるものだ。嬉しかったことは自分が大人になってから子供たちにして上げればいい。悲しかったことは真似しない方がいい。

そうすると世の中はだんだん進歩すると思う。逆のことをすると、世の中はだんだん悪くなる。

ついでに言うと、小生が一番悲しかったことは、自分が叩かれたことではない。父と母が諍いをすることだった。小生がカミさんと諍いをすることを嫌うのはそのためだ。他方、子が嘘をついたときには体罰を課した。父も同じように小生を厳しく叱ってくれたからである。

本当に大切なことは言葉や説教で分かるのではない。分かるから分かる。経験によって分かるのである。

★ ★ ★

ルールがあればいちいち考えなくても結論を出せる。機械学習に頼ればデータを見なくとも結論が出せる。人工知能に頼れば考えなくとも結論が出せる。そして人類は次第に馬鹿になる。もう馬鹿になっているかもしれない。何でも法律にしたがるのはそのためである。

0 件のコメント: