2016年7月9日土曜日

参院選: 民進党の戦略的誤りか

参院選が近づいてきた。

与党の安倍総理の演説が受けているそうで、そんな報道がある。アベノミクスや消費税率引き上げ再延期を話しているうちは、マアそんなものだろうという冷めた雰囲気があるが、そのうち「もれなくついてくる共産党」という辺りから政談に入ると、にわかに熱気が高まり、最後に「気を付けよう、甘い言葉と民進党」で締めくくると、割れるような拍手がまきおこるとのこと。

これまた<劇場型政治>の一例じゃなあ、そんな感じがする。ワンフレーズ・ポリティックスでは、上手なキャッチコピーを思いついたほうが勝利をおさめる。そんな法則があるのかもしれない。

オバマ大統領の誕生を支えたのも"Change!"と、"Yes, We Can"だったねえ・・・。これはツーフレーズ・ポリティックスだ。レコードのように、ガアガアとノイズが入ると、時代の風合いがついて更によし、だ。


民進党の岡田代表はいかにも散文的だ。<理屈>というのは、アピールしない。大体、<理屈>というのは、数名のゼミで有効な説得術であり、勉強するための大学という場でも教室内の出席者が200人を超えると、授業当日に<ロジック>を展開しても学生は寝るだけである。

そもそも与党の3分の2を阻止するなどという戦略がありうるのか?こんなことが戦略になるのか、さっぱり理解できない。

改憲勢力が3分の2を超えれば憲法改正をしかけてくるという警戒感であるというのは言わなくともわかるが、憲法改正は野党にとっても脅威だろうが、与党にとっても大変なリスクなのである。

憲法改正が必要であると回答する国民は、各種世論調査で25パーセントを超えるか超えないかという高さで推移してきている。4人に1人である。

他方、明確に反対する国民は直近の2015年NHK調査で30パーセント、このとき賛成と回答したのは22パーセントである。

世論調査で、改憲賛成が反対を上回ったことは一度もないと記憶している。

仮に、衆参両議員で憲法改正を3分の2以上の賛成で可決し、国会が改憲を発議したとしても、国民投票で過半数の国民が賛成の票を投じるかどうか、現状では極めて可能性が低い。

内閣が主導して、改憲を発議して、国民投票で否決されれば、常識的に考えれば内閣は総辞職するであろう ー しなければ、不信任案が提出され、与党の一部も賛成に回り、不信任案が通ることはまず間違いない。内閣がと書いたが、正確に言えば与党の総裁を辞任するべき筋ということになる。

そして、総選挙となるのが必至だが、与党は大敗するだろう。だけではなく、改憲勢力は二度と回復できない政治的ダメージをうけると予想される。

そのあと(=宴のあと)の参院選でも改憲勢力は退潮するであろう。

与党議員の大半は、真に憲法改正をしたいと考えているわけではあるまい。こんな危険をおかして、本当に改憲発議の勝負に打って出るとは到底予想できない。


最重要なことは、過半数の国民が了解できるような憲法改正案を提案できる政党であるか否か?

これだけである。

民進党は、改憲勢力が3分の2以上をとろうと構うことはないのである。巨大なリスクは憲法改正を発議する側にある。

ここは腰をじっくりと落として、真に国民が望む政策、というより<国民がとるべき政策>とはなにか。それを真剣に議論し、党内でまとめることだと思われる。

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