2016年7月10日日曜日

入試の「得点調整」から選挙の「投票調整」へ進化することができるか?

本日は参院選投票日である。いま見ている日曜ワイドショーでも選挙の話が出ていて、そうなると(当然だが)「シルバー民主主義に問題はないのか」という展開になる。

ただ、シルバー世代には気の毒な気もする。こんな話をテレビ画面でやっていいのかとも思う。高齢者が人口の高い割合を占めたことに対して高齢者に責任はない。しいていえば、3人兄弟で育った団塊の世代が2人しか子供を作らないとすれば、そして二人兄弟で育ったジュニア世代が晩婚化し、育てても一人っ子が多いのであれば、これは高齢化が必然だという話になる。このプロセス全体に高齢者世代に責任はあるかと問われれば全くないわけではないのだろう。

まあ、理屈の話だ。

小生の感想だが、現実に高齢者の人口が多い以上、多人数を占める高齢者の意見に耳を傾けて国全体の方向を決めていくのは、当たり前であるとは思う。

が、高齢者の投票率は若年層の2倍は高いとなると、やはり問題であろう。実際に投票をしている人は、約半分が高齢者であると。それも仕事をしていない人たちであると。それで決まってしまうのかと。日本社会のご隠居じゃあるまいし、小生でなくとも、これは可笑しいと思うはずだ。

最近の入試センター試験では、同じ理科であっても異なる科目の間に平均点の大きな差が出てしまうと、素点で評価すると不公平になるので、得点調整をかけることがある。得点調整をかける場合の計算技術には、正規分布と標準化が応用されていることが多いのだが、選挙でもあまりに年齢層間の投票率の違いが大きくなれば、投票調整をかけてもいいのではないか。

雑駁に言えば、若年層の投票率が30パーセント、高齢者の投票率が60パーセントの場合、若年層の投票数を2倍計算するかどうか。単に2倍するのが論理にかなっているか。マア、こんな問題意識である。

先ごろ行われた英国の国民投票でもロンドンの豪雨が投票率に影響して、それが離脱派に有利に作用したという報道があった。

このような問題は、データ収集過程に必ず発生するミス・レポーティング(未回答)の処理をどうするかという課題にも通じるもので、多くの研究成果の積み重ねがある。支持する候補者、支持する政党と、年齢、投票率等の間に相関がある場合は、調整のための計算技術も複雑になる。

投票調整の計算技術を研究しておくとよいのではないだろうか。
これは統計学者にとっては挑戦しがいのある問題ではあるまいか。

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