2026年7月27日月曜日

覚書き: 豊臣家のイメージ?「トランプ政権、〇〇秋の陣」とでも呼ばれるだろうか?

アメリカ=イスラエル枢軸軍による奇襲的なイラン空爆とその後の戦況は、「戦局必ずしも好転せず、世界の大勢また我に利あらず」と言ったところで・・・今や世界的にも共通の認識になってきた模様。

これについて日本のネットでも

戦後、アメリカは多くの戦争を戦ってきた。大きな戦争としては、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争がある。だが、しかし、これらの戦争はいずれもアメリカが当初掲げた政治目標を十分には達成できなかった。敗北の理由は様々考えられるが、共通しているのは「傲慢さ」である。現在のイラン戦争も、トランプ大統領の「arrogance」ゆえに、歴史と状況に対する正確な分析に欠け、戦争の明確な戦略を立てることに失敗している。アメリカがイランに軍事的に敗北することはないにせよ、勝利を収めることも難しいだろう。

Source:Yahoo!JAPANニュース

Author:中岡望

Date:2026-07-27

こんな書き込みがあったりする。

これを読んで、ちょっと笑ってしまいました。だってト大統領が「傲慢」で「自意識過剰」のお人柄であることは周知の事実と言ってもよい程、明々白々のことであります。問題は、そういう人を大統領に選出した、そういう人が選挙で勝利したという事実にあります。もし大統領になればこんな大統領になるという予想は事前にあったわけでもあります。

その中でも急先鋒のクルーグマン博士。相変わらずsubstack.comの場で論陣を張っているが、デロング先生とはまた趣を異にしているのが面白い。デロング先生はcoolかつscinicalな雰囲気があるが、クルーグマン先生はずっとpassionateかつpessimisticである。最近はこんな投稿をしているので、(和訳したうえで)全文に近い引用をさせていただこう:

しかし、ここで本当に恐ろしいのは、トランプ氏が勝利に見えるものを勝ち取ろうとする試みを諦めたように見えることだ。ほんの数日前までを振り返ると、トランプ氏は事実上撤退し、プロジェクトを放棄し、海峡が事実上開いたことで原油価格が下落するのを利用して、これは真のアメリカの勝利であり、経済は好調で、株式市場を見れば分かるように、という話をでっち上げようとしているように見えた。

そして、まあ、それはちょっとどころかかなり愚かで、破滅的な試みだった。同時に、ある意味驚くべきことでもあった。なぜなら、真剣に紛争を終結させようとするなら、現実と向き合い、「よし、この戦争はうまくいかなかったが、アメリカは依然として偉大だ。申し訳ない」と言う必要があったからだ。

しかし、トランプ氏は感情的にそれをどうしても受け入れられなかったようだ。彼はこの事業が失敗したことを決して認めようとしない。彼は何事も失敗を認めようとしないのだ。彼の任期中、私たちはリフレクティング・プールの破壊工作犯を探し続けることになるだろう。

これは不吉な戦略転換だ。中間選挙に向けてトランプは何を考えているのだろうか?おそらく、十分な経済的成功を収め、人々の記憶力も短いので、ホルムズ海峡開通の功績はトランプに帰せられるだろうが、いずれにせよガソリン価格高騰や戦争をめぐる混乱は過去のものとなり、トランプとその仲間たちが主張し続ける黄金時代が到来したことを認める準備が整うだろう、というのが彼らの狙いだったのだろう。

今はもう全て白紙です。今はただイランを爆撃するだけです。明確な戦略はありませんが、事態が順調であるふりをするつもりもありません。イランを封鎖するつもりです。これは実際には少し影響力がありますが、中間選挙で共和党の勝算を高めるような形で何かが解決される兆候は全くありません。では、一体何が起こるのでしょうか?

トランプ氏が事実上諦めたのとほぼ同時期に、つまり戦争を放棄したという意味ではなく、たとえ肯定的な結果と解釈できるようなことでも達成しようとするのを諦めたのと同時期に、今週木曜日にゴールデンタイムの演説を行うという発表があったのは、偶然ではないと思う。報道によると、その演説は2020年の選挙不正に関するものになるという。また、ジョージア州選出の民主党上院議員2人を何らかの形で不当だと宣言しようとする可能性を示唆する報道もある。

まあ、それは実際にはうまくいかないだろう。彼が2020年の選挙で実際に勝利したという主張に納得する人はいないだろう。しかし、実際には彼は今年11月の投票に大規模な干渉を行うための口実、つまり土台を築いているのだ。つまり、公正な選挙を阻止しようとする、あるいは選挙そのものを阻止しようとする試みの舞台が整えられているのを、我々は目の当たりにしているのだ。

この先どうなるかは分かりません。しかし、トランプ氏とその側近たちが選挙に勝つことを諦めたのは明らかです。彼らは代わりに、プロパガンダ、誤報、偽情報、そしておそらくは大規模な違法行為を組み合わせることで前進しようと決めたのでしょう。

そして、「彼らはそんなことはしないだろう」などと言わないでください。それはこれまで、あらゆる場面で必ず裏目に出てきました。トランプ氏とその仲間でさえもやらないことがある、などという考えは、トランプ政権のあらゆる行動において、あらゆる点で間違っていることを示す最良の方法だったのです。

だから、ある意味では、トランプ大統領がイランへの爆撃を再開したという事実は、爆弾そのもののせいではなく、本当に悪いニュースなのです。もちろん、それは恐ろしいことですが、アメリカが外国勢力によって危険にさらされるという本当の恐怖があるからではなく、私たちの大統領、私たちの政府自身から、私たちにとって非常に大きな危険が迫っていることを示していると思うからです。

URL:  https://paulkrugman.substack.com/p/the-forever-war-gets-scary 


イランと戦争をして軍事的勝利を収めるのは諦めた、ということは中間選挙を普通に迎えれば勝てないことも分かってきた、ということはどうすればいい?

民主党が勝った選挙区では(日本流にいえば)「公職選挙法違反」があった疑いで片っ端から摘発する。強引に立件する。当選資格をはく奪する。負けた方を当選させる。この線は(多分?)有効だろう・・・と。

中国による選挙干渉に言及するなど、ヤル気満々のようだ。将棋でいえば、玉をとりたいから、いきなり玉筋に王手をかけるようなものだネエ・・・と思ったりする。相手の防御が自陣の王に対する王手になるなどとは予想しない。「しもた~ッ!」って奴です。この辺りが傲慢と言えば傲慢にあたるのだろうが・・・

仮に上下両院とも民主党が勝利すれば、必ず大統領弾劾裁判が始まる。職権乱用で有罪になる。閣僚の何人かは逮捕され、懲役50年から75年程度の刑を科される事態は十分ありうる。生きるか死ぬかである・・・


ト大統領の頭の中をシミュレーションして絶望感に苛まれるクルーグマン先生の姿が眼前に髣髴としてくるではないか。

2026年7月25日土曜日

ホンの一言: 生煮えの「ハラスメント」概念は研究段階の製品とソックリでは?

かなり以前になるが高橋昌一郎『20世紀論争史~現代思想の源泉~』(光文社新書)が面白くて複数回読み返した記憶がある。

昨日、パラパラとページをめくって、以前に傍線を引いた個所を読み直していたのだが、読んだ当時はそれほどでもなかったが、昨日読み返すと中々に意味深な個所があったので引用しておきたい。論理実証主義のウィトゲンシュタインと科学哲学者ポッパー(というより数理哲学者ラッセル?)が口論する場面が秀逸である。が、以下に引用するのは論理実証主義に関するところ:

(ウィトゲンシュタインの)『論理哲学論考』が導くのは、「語りうることは明らかに語りうるのであって、語りえないことについては沈黙しなければならない」という有名な結論だ。

この世界で「明らかに語りうる」ことは、真か偽かを「論理的に」決定できること、あるいは事実か否かを「実証的に」確認できる言語に限られるという論理実証主義の理念は、そこから誕生したわけだ。

この下りを読んで思ったのは、

現代日本の「弁護士」という輩に読ませてあげたいネエ・・・〇〇ハラがあるかと思えば、ハラ・ハラもある。そんなハラスメントという犯罪概念(?)に対して論理実証主義者はどんな批判を浴びせるだろうネエ・・・

というものだった。 


「論理的に真偽を明らかにする」には、自明の大前提から矛盾や見落としを犯さず、唯一の結論に至るロジックを明らかにしなければならない。「明らかな事実」とは、日が昇ったり、そこに海があるとか、誰にとっても明らかで疑いようのない真実という意味である。「こうも考えられる、ああも考えられる」のは真偽不明を意味する、当たり前ですが⋯⋯

「法学」という学問分野が、学問体系全体の中でどのように位置づけられるべきか、小生には論じる資格はない。

しかし、「法」というものは最低限の要請として論理的でなければならず、事実の立証に基礎を置くからには、論理実証主義の哲学とは最も相性がよい学問ではないかと思う。自然科学とは違って、そこに「仮説性」が混じるのは、非常にまずいと思うのだ、ナ。

ハラスメントという犯罪、というか疑似犯罪概念、あり得ますよネ?

もしもこんな生煮えの学問談義から大した進展がないなら、研究段階の扱いにとどめるべきで、実社会に適用するべきではあるまい。特に《コンプライアンス原理主義者》が横行する現代日本社会では、《お気持ち倫理学》がはびこりがちでもあり、なおのこと慎重であるべきだ。

ひょっとすると、法律運用の現場では学問も論理も何もなく、ひたすらに「取り締まる」、「処罰する」、そのための理屈をつくるための道具が法律である、と。そんな即物主義的で虚無的な精神が共有されているのかもしれない。

ま、それならそれでつつがなくやられたらよろしゅうございましょう。



何事も学問的研究が生煮えの成果は実用を控えるほうが社会は安全である。

例えば、核融合エネルギーが実用化されれば、地球の危機はかなり解決されるだろうが、現在の段階では無理である。自動車の完全自動運転もそうである。望ましいことでも、未完成のうちは焦って実用化してはならない。

但し、技術的には完成間近で社会実験が必要になっているときに、敢えて一切禁止の選択をするという姿勢は、進取の精神に欠けているだけの事である。これは念のため。

この辺り、小学生でも理解できる簡単な道理であろう。

【加筆修正:2026-07-27】




2026年7月22日水曜日

断想: AI(=人工知能)が乗りこえるべき高い壁?

先日の投稿では、「総括」というか、こんな感想を述べている:

囲碁の名人がDeepMindのAlphaGoに負けてからAIの優越性が可視化されてきたのだが、歴史的背景と今の政策との関連をどう理解するかという点でも、世論よりはAIの方が(まだ細部で誤りが混じって満点ではないが)実力が上回るようになってきた。少なくとも世論の方がAIよりなお優れているとはもう言えない・・・こんな感想を持たざるを得ない。

人類の知的活動の少なからざる部分は、今後将来にかけて生身の人間からAIに置き換わっていくだろうというのは、ほゞほゞ確定していると言わざるを得ない。淋しいが・・・

それが善なのか、正義に適うのかという論点は、もう陳腐かもしれない。

道理とは何かを考える時にも、世論よりはAIの方がはるかに冷静で優れた考察をすることが出来る、個々の事案についてすら出来る、そんな時代がもうすぐそこまで来ていると、使えば使うほどそう実感するのだ。 

ただ、AIの利用、影響力が全世界的に急速に拡大していくかと問われれば、越えがたい技術的な壁があると思う。

以下のデータはChatGPTに調べてもらったのだが、一見したところ、予想に近い回答であったので使うことにした。

まず地球上の知的構成物としては見事としか言いようのない「人類」であるが、人体を構成する元素比は

質量比(成人の平均的な値)

元素質量比
酸素 (O)約65%
炭素 (C)約18.5%
水素 (H)約9.5%
窒素 (N)約3.2%
カルシウム (Ca)約1.5%
リン (P)約1.0%
カリウム (K)約0.4%
硫黄 (S)約0.3%
ナトリウム (Na)約0.2%
塩素 (Cl)約0.2%
マグネシウム (Mg)約0.1%
その他(鉄、亜鉛、銅、ヨウ素など)約0.1%

このように、酸素・炭素・水素・窒素の4元素だけで人体重量の約96%を占めます。

豊富に存在する元素を多く、稀少なものは少なくという経済的な構成になっているのが人体である。安い原材料だけを使って高度の知的生命体を自然は生み出したというわけだ。

これに対して、こんな質問をした:

データセンターの基盤になるサーバーの必須のパーツは半導体チップだと思われますが、半導体を構成する元素の比率はわかりますか?

するとこんな回答が得られた:

はい、ただし「半導体チップ全体」と「半導体そのもの(トランジスタ部分)」では大きく異なります。

CPUやGPU、AIアクセラレータなどの半導体チップは、シリコンだけでできているわけではありません。概ね次のような構成です。

主な元素用途質量比の目安
ケイ素 (Si)半導体基板・トランジスタ約40~60%
銅 (Cu)配線約20~40%
酸素 (O)二酸化ケイ素(絶縁膜)約10~20%
炭素 (C)低誘電率絶縁膜など数%
タングステン (W)配線・ビア数%
コバルト (Co)、タンタル (Ta)、チタン (Ti)、ニッケル (Ni)バリア膜・電極1%未満~数%
ホウ素 (B)、リン (P)、ヒ素 (As)ドーパント(不純物)0.01%未満

 

特に重要なのはシリコン。シリコン(=ケイ素)はトランジスタを形成する母材であり、半導体チップの中核となる元素です。 

人体とは大きく異なっている。ケイ素は地殻内では酸素に次いで豊富に存在している元素だから問題はないが、問題は《銅》である。銅は地殻の中では極めて稀少にしか存在しない物質である。

更に、データセンター全体でみると

半導体チップよりも

    • アルミニウム(筐体・ヒートシンク)
    • 銅(電源ケーブル・配線)
    • 鉄(ラック・構造材)
    • ニッケル(電池・合金)

などの金属の使用量の方がはるかに多くなります。

したがって、「AIを支える元素は何か」という観点では、シリコンだけでなく、銅・アルミニウム・鉄・ニッケルなどの供給も極めて重要になります。半導体そのものは高度な技術の結晶ですが、データセンター全体として見ると、実は大量の一般的な金属資源にも支えられているのです。 

そこで、地球に存在する元素賦存比率とデータセンターに必要な元素比率とを対比すると、以下のようになる:

結論から言うと、地球全体の元素組成とデータセンターの元素組成を比べた場合、最も大きく偏っているのは「銅」「シリコン」「希少金属(タンタル・コバルト・ガリウムなど)」です。

一方で、地球に非常に多い鉄・酸素・マグネシウムなどは、データセンターでは相対的に少なくなります。

おおまかに比較すると、

元素地球(質量比)データセンター偏り
鉄 (Fe)約32%(地球全体)数~10数%大幅に少ない
酸素 (O)約30%数%少ない
ケイ素 (Si)約15%10~30%やや多い
マグネシウム (Mg)約14%ほとんど使わない極端に少ない
銅 (Cu)約0.006%数十%にもなる数千倍以上多い
タンタル (Ta)数ppmコンデンサに使用数万~数百万倍濃縮
ガリウム (Ga)十数ppm高周波半導体非常に濃縮
金 (Au)数ppbコネクタ等数百万倍濃縮

 

特に「銅」が際立っています。地球全体では銅はごくわずかしか存在しません。

しかしデータセンターでは、

    • 電源ケーブル
    • 基板配線
    • 半導体内部配線
    • トランス
    • モーター

などに大量に使われます。

重量ベースでは数十%近くが銅になる設備も珍しくありません。

もっと極端なのは金・タンタル・ガリウム。これらは地球中では極めて希少ですが、
    • 金:腐食しない接点
    • タンタル:高性能コンデンサ
    • ガリウム:高周波・光通信用半導体

として不可欠です。

例えば金は地球全体では数十億分の1程度しかありませんが、CPUやサーバー基板には必ず微量ながら含まれています。

足元のテクノロジー文明を支えるのは、豊富に存在する酸素、窒素、炭素、水素ではない、数種類の希少金属であると言っても言い過ぎではない。

これはAI(=人工知能)と言っても、極めて非合理的な技術であろう。

こうして概観すると、知的活動体としての《人》は、小型にして経済合理的。自然による見事な作品であることが改めて確認できる。これに対して、AIは《人工知能》であるせいか、自然の摂理に反していて、非経済的かつ非合理的である。

古来、非・経済合理的な技術文明が長期間に渡って持続したためしはない。

地球上を面的にマネージするうえで《AI》の利活用は欠かせないと思うが、使われる材料が現在の元素比のままでは、近い将来に資源上の制約に縛られてしまうのは確実である。

更に、人体の優れている点は、小型の構造であるにも関わらず、内部にエネルギー生成機能を有していることだ。確かにエネルギー源は外部から摂取する必要がある。つまり食料である。が、それら食料は水、炭水化物、タンパク質を主として、あとは少量の脂質、ビタミン、ミネラルを必要とするだけである。大体は、炭素、酸素、水素を毎日摂取できれば人体と諸器官を動作させるには十分だ。驚異的な知性がここに反映されている。

上で示したデータセンターは内部でエネルギーを生成できはしない。電気エネルギーは外部から供給しなければならない。土地節約的な原子力発電にはウランが必要だ。そうでなければ、どこからか電気を供給しなければAIは動かない。

ついでに太陽光発電施設も含めて、特徴的な元素の比較をしておこう:

システム
特徴的な元素
人体
    H・O・C・N(地球上に豊富)
データセンター    Cu・Si・Ta・Co・Ga(高純度・希少)
太陽光発電所
Fe・Al・Si・O(比較的豊富)

 ChatGPTはこう締めくくっている:

この比較を見ると、太陽光発電はデータセンターよりも、人体に近い「豊富な元素を大量に使う技術」と言えます。もちろん人体とは構成が異なりますが、「地球上に比較的ありふれた元素を主体にしている」という点では共通しています。

実際、エネルギー工学では「技術が大規模に普及するためには、希少元素への依存を減らすことが重要」という考え方があります。太陽光発電では銀の削減、AIハードウェアでは銅や希少金属の節約が研究されているのも、その考え方に沿った動きです。

こうして眺めると、「どの元素をどれだけ必要とする技術なのか」という視点は、将来その技術がどこまで普及できるかを考える上で、一つの重要な指標になると言えるでしょう。

本日投稿は、AIに色々と教えてもらいながら、普段から疑問に感じていた事を整理してみた。この間、わずかに小一時間である。

まったく別の付けたし。

小生は、民放TVのドラマでも近い将来《生の俳優・女優抜きの100%完全な人工ドラマ》が制作されるものと確信している。人は《フェーク・ドラマ》と呼ぶかもしれないが、"Artificial Drama"あるいは"Artificial Film"という方が同時代的だろう。その兆しは既にもう出てきているから、空想の世界ではない。

AIが創造した人工俳優や人工女優なら、まず人間関係をマネージする雑用から解放される。最近発生したような「ハラスメント問題」に悩まされることもない。そもそも「ロケ弁不要」であるし、飲み会も必要ない。技術的知識を本質的実体としながらヴァーチャルな影像として可視化されるものである「人工俳優」は、仕事を経験すればするほど経験知が上がり続け、豊かな表現力を持つようになる。かつ人間とは違って、齢をとらず、永遠に若く、高齢俳優であっても何十年も活動できる。 

世界のどこかで研究は既に進められていると思うが、日本はまだ問題意識すらないかもしれないネエ・・・と。

近年の日本社会は、伝統と言われるのを嫌いながら歴史には誇りをもち、新しいものを願いながらも新しいものが古いものに置き換わるのは拒否するという、そんな傾向が目立ちますから・・・

2026年7月19日日曜日

断想: 最近の日本は昭和十年代に似ていると言うけれど⋯⋯

近年の日本の世相が過去のいつの時代に似ているかという話題は結構人気があるようだ。特に戦前日本は頻繁に口にされる。

中でも、ここ最近と昭和10年代が似ているというのは聞くことが多い。第2次安倍政権で安全保障が重視されたり、軍事費拡大へ向かう自民党政治をみてのことだろう。

個人的にはちょっと違っていると思う。


ここ20年から30年ほどを《近年の世相》と拡大解釈したうえで過去の似ている時代を探すとすれば、それは《大正デモクラシー》の頃ではないかと思っている。


大正時代はまず最初に「大正政変」から始まったのだが、その大正政変は元老や大政治家の意思決定を《民意》がつぶした初めての事例として記憶されるべき大事件である。

明治が元老と官僚専制の時代と言うなら、大正時代は《明治的なすべての慣行への反発》が駆動した時代である(と勝手に理解している)。その明治への反発は、文学、文化、世相など全てに表れていた(はずだ)。そもそも大正天皇その人が志す世の中は明治天皇が是とした国家とはまったく異なるものであったと聞く。

政治的には、国の統治に民意が反映される仕掛けである《普通選挙運動》が時代のテーマとなり、最終的には大正が終わる大正14年に「普通選挙法」となって実を結んだわけだ。Wikipediaには、

普通選挙法に基づく選挙は1928年(昭和3年)の第16回衆議院議員総選挙から1942年(昭和17年)の第21回衆議院議員総選挙(いわゆる翼賛選挙)まで計6回行われた。

こう説明されている。つまり、この14年間は普通選挙という形で(女性参政権はなかったにせよ)民意が政治を動かしていたことになる。


何度も投稿したように、戦前日本の普通選挙の歴史は、あい続くスキャンダル合戦の果てに明治以来の政党政治が自己崩壊した歴史でもあった。

不安定化する国際環境の中で、普選の達成と高揚は政党不信、議会不信へと変質し、半ば必然的に軍部と官僚組織へと権力の再集中が進んだ。これが戦前日本が歩んだ道の大雑把な要約である。

大正デモクラシー全盛の頃、天皇は生身の人間と言うより、国家運営の必要から置かれる一つの機能、つまり「国家機関」と理解されていた。いわゆる「天皇機関説」である。その天皇機関説を理論化した憲法学者・美濃部達吉が攻撃のターゲットになり貴族院議員を辞職したのは昭和10年(1935年)である。日本の国の姿を再確認するべきだとする一種の文化運動であった側面もあった(かもしれないが)「国体明徴運動」がその背景になった。

国体明徴運動は、普通選挙法公布の概ね10年後、普通選挙法下の初めての国政選挙である「第16回衆議院議員総選挙」の7年後になる。この7年間の間に、当時の日本人は普通選挙を通した民意の実現というものに、すっかり幻滅してしまっていたのである。

昭和10年から強まったのは、大正デモクラシー以来の民意重視の潮流を逆転させる姿勢で、《保守革命》の言葉を使ってもよい。軍部、特に当時の陸軍が成熟した外交センスをもっておらず、日本の国際的孤立化をまねいてしまったのは、「不運」という結果論が当てはまるかもしれない。


・・・ということなので、最近の日本社会に似ているのは、選挙を通した政権交代への失望が広がった昭和1桁の10年間、もっと遡ると関東大震災で古き良き明治が完全に消滅した大正12年(1923年)以降の12年間であろう(と勝手に思っている)。そして、これから未来にかけて似てくる(かもしれない)のが、保守革命が世を覆い始めた昭和10年代である  ―   低知能の保守反動ではありましたが。そう思われます。

戦前は動きが急であったが、これは第一次大戦後の「戦間期」という時代、国際環境が非常に不安定であったことによる。長寿社会では世間もユックリと変わるのかもしれない。


そんな風に予想しているところです。



2026年7月17日金曜日

ホンの一言: 暮らしより皇位継承が大事ですかネエ⋯⋯

TV放送の七不思議。

今朝も旧宮家の養子の話をしている。

皇室典範改正だ。

悠仁親王の即位までは確定しているのだから、悠仁親王に皇子が誕生すればそれでよし。娘しか生まれず、養子に息子が生まれた時に、また騒動が起きる(かもしれない)話しである。が、今から分かるはずもなし、20年か30年ほど後にでも議論すればイイのではないか?とりあえず「世襲親王家」の血筋が《曲がりなりにも》復活する目処がついたのだから。

そう思いますがネエ・・・


例えは悪いが、年金を持続可能にするために「マクロ経済スライド」を導入し、天皇制を持続可能にするため、600年の間ずっと皇統の傍系として存続して来た「伏見宮系の血筋」にふたたび頼ることにした。今回の措置の主旨はこれに尽きる(と勝手に思っている)。そもそも占領期のGHQの政策がなければ、いまの皇位継承の危機はなかった理屈である。

必要に応じて、これから将来、どんどん養子相続は増えるだろう。角界の年寄名跡ではないが、空席の由緒ある宮家が復活することも、いずれあるだろう。少なくとも皇后が皇子を産むことを迫られる圧力は(たぶん増えるだろう傍系が伴走するだろうから)減るには違いない。

価値云々ではない。主義の問題でもない。要するに、安定化したいのだろう。

但し、《安定化》の手法に岩盤保守的な前例主義が採られた。旧い。それで反発が起こっている。これが現状なのだろう、と。

正に現実としていま社会的対立が生まれていること自体が、戦後天皇制の設計ミスである(としか思えない)が、課題は《天皇制》をどうするかである。そりゃあ保守派の意見がどうしたって通るでしょう、と。そう思います。その時の価値観や権力の所在などなど、天皇制はそうしたファクターに抵抗しながら存続してきたという側面をこそ見るべきだと思う。だから、今回の決定はもう仕方がないと小生は思って観ている。

小泉内閣時の女系天皇容認の機運、その後に続いた秋篠宮妃ご懐妊と親王ご誕生、平成天皇の生前譲位、実質「皇太弟」である秋篠宮殿下の立皇嗣。「世襲親王家」の復活とも解釈される今回の措置。この時系列的な流れに思いを致すべきだと思っている。

日本史の中では時に保守革命が成功することが複数回ある  ―   具体例は細かに述べない。これらの保守革命には例外なく天皇(と朝廷、公家集団)が関係している。更に、日本の対外戦争は天皇が復権している時代において起こった、と。これも小生の歴史観なのである。「だから何?」、というわけではないが⋯⋯


いずれにせよ、今回の措置は日本人の暮らしとは何のつながりもない、どうでもいい話しではあるのだ。

そう思いますがネエ・・・


⋯⋯、何故、食料品の消費税率を話さないのだろう?「食料品には消費税率ゼロ」とするには財源の問題がなるほどある。しかし、イギリスは同じ政策をもう半世紀近くも平気でやっている。他の欧州諸国も食料品の軽減税率は思い切ってバンとやっている。

食料品以外の税率が高いのはその代償である。とはいえ、日本でできないはずはないのだ。しかも望む国民は多い。望んでいる国民の家計に目を向けるのも政治だろう。

経済の話をして消費税率引き下げに向けて世論を形成するのに消極的な理由は、メディア企業自体が消費税率引き下げは筋悪だと考えているからであろう。2年限定なら余計に筋悪だということだろう。かと言って、引き下げに消極的だとTV画面で声高に話すのは世間の反発を受けそうで怖い。

だから、暮らしとは何の関係もない皇室典範の話しをしておく。

どうです?ズバリではない?


話してもほとんど意味のないことを話題にして熱を上げるのもよいが、こんな事なかれ主義のような番組編集には必ず代償がある。

そう思いますがネエ⋯⋯

【加筆修正:2026-07-19】

2026年7月16日木曜日

ホンの一言: Chaos-Monkeyぶりを発揮しているトランプ大統領?

Brad DeLong博士はトランプ大統領を「猿」と呼ぶことを止めない。昨日もまた、ホルムズ海峡の再封鎖に伴い、substack.comに以下の投稿をしている:

Isn't this piracy? What could make it not piracy, other than a congressional declaration of a war to conquer & annex the Strait of Hormuz to the USA? 

これは海賊行為ではないのか?米国議会がホルムズ海峡を征服・併合するための戦争を宣言する以外に、これが海賊行為に当たらないと言える根拠などあるのだろうか?

URL:   https://braddelong.substack.com/p/can-we-call-this-anything-but-piracy 

ただ当のト大統領、一律20%の「海峡通行料」は撤回したらしい。

投稿のタイトルは

Can We Call This Anything But Piracy?: TUESDAY CHAOS-MONKEY TRUMPISM

正に海賊行為じゃないのか? 「ワヤクチャの猿」そのもの火曜日のトランプ主義

かなり意訳だ。それに"Chaos-Monkey"の語句だが、検索すると

カオスモンキー(Chaos Monkey)とは、米Netflix社が開発した、システムに意図的に障害を起こすためのテストツール(オープンソースソフトウェア)です。

つまり、意図的に障害を引き起こす高度なソフトウェアの名前だというわけで、何も自国の大統領を猿だと決めつけているわけではない・・・安全弁としては実に巧みな呼び方ではないか。

日本では、これに匹敵する知的な批判はまだ登場していない。両国の行政トップはかなり近いタイプだと思うのだが。両国民の国民性の違いのせいかもしれない。


2026年7月13日月曜日

ホンの一言: 酷暑に苦しむ人々が増えていますが・・・

九州地方では40度近い酷暑が既に始まっている。その熱波が段々と北上するのだろうと、近畿圏、首都圏にいる人たちは心配しているのだろう。小生が暮らす北海道も近年は30度どころか35度を超える酷暑、というか極暑日が散見されるようになった。熱波の縁は北海道にも到達することだろう。

エアコンを設置するかで悩んでいるが、設置したところで稼働は高々2~3週間だ。7月下旬から盆明けまではエアコンが有難いが、使いすぎると逆に疲労感がたまるというものだろう。窓を開ければ、夜、寝苦しいということは一日もない。それに積雪期に雪の積もるベランダに室外機を置いて大丈夫なのか、少々不安である。稼働が少なければ故障も多かろう。

それでも小生が暮らすマンションでもエアコンを設置している住戸がもう2割くらいにはなった。

どうするかナア・・・と迷っている。

エアコンが あればと願う 夏なれど

     豪雪ふらば 邪魔になるべし

先ずはポータブル・エアコンで効き目があるかどうか置いてみるか・・・

内地の大都市圏ではエアコンをオンにしているにもかかわらず、熱中症で亡くなる高齢者が目立つとのこと。

どうやら冬の設定のまま暖房にしていたとか、メンテナンスを怠り埃が中に溜まり風が出なかったとか、色々な不注意が原因だそうである。無情である・・・

ただ、思うのだが、

これもまた、人生の終わり方の一つなのかなあ、と

(政府・マスコミ公認の?)科学主義・唯物主義が共有されている現代世界では

死ぬのはダメ、生きて!

死ぬより生きるほうが善いに決まっている。

こんな風に、命を超える価値などはないという思想が正論中の正論になっているのだが、へそ曲がりの小生は

ただ生きているのは空しいだけである

そう考える、というか感じるのだから仕方がない。


エアコンの設定を失念して、熱中症で意識をなくし、そのまま浄土へ往生するのも、その人の業と縁である。業縁を人為的に止めようとするのが、その人にとって善い事なのかどうか、善い結果につながるのかどうか、確かなことは言えない。

成功と失敗、善と悪、正と邪、全て相対的であって、本質的には《空》であると考える立場に今は立っている。