2014年5月2日金曜日

世界景気の緩やかな拡大基調は変わらず

年が明けてから東京の株式市場は今一つしっかりしない。アメリカのAmazon、Facebookも冴えない、というよりこの2か月で随分損をした。特にAmazonは昨年春に比べて、150ドル上がって400ドルを超えたこともあったが、最近の下落で100ドル下がって今は300ドル前後をうろうろしている。『半分戻りは全戻り』という格言があるが、それは下落後の戻り場面のことだ。上昇後の低下局面でも当てはまるのなら、今後一年前の水準まで下がってしまう見通しになるが、はてさてどうなるか……

ドイツのIFOからメールマガジンが届いた。景気先行指数(IFO Geschäftsklimaindex)の4月分である。


Der ifo Geschäftsklimaindex für die gewerbliche Wirtschaft Deutschlands ist im April auf 111,2 Punkte gestiegen, von 110,7 im Vormonat. Die bisher schon gute Geschäftslage hat sich weiter leicht verbessert. Die Unternehmen schauen zudem wieder zuversichtlicher auf die weitere Geschäftsentwicklung. Trotz der Krise in der Ukraine setzt sich die positive Grundstimmung durch.
Source: IFO Institut

ウクライナ情勢の懸念材料があるものの、それがドイツ経済の足を引っ張るマイナス材料にはなっておらず、先行き期待は一層明るくなっている。

このデータにバイアスはかかっていないか。念のためにOECDの先行指数も参照しよう。4月分だ。日本とドイツが含まれている部分だけを引用させてもらおう。


For the OECD as a whole, and for the United States and Canada, CLIs point to growth remaining around trend. CLIs point to growth returning to trend in Japan[1] and tentatively losing momentum while remaining above trend in the United Kingdom.
In the Euro Area as a whole, and in Italy, CLIs continue to indicate a positive change in momentum. In Germany, the CLI points to growth above trend, and for France the CLI points to stable growth momentum.



[1] The CLI for Japan may not fully capture the expected impact of the hike in its consumption tax rate in April 2014, the first increase since 1997, which is likely to result in an uneven growth profile during the first three quarters of 2014. 

Source: OECD

上図から見て取れるように、直近の谷は、2012年の年末近くである。それはIFOの指数でも同じである。大体はその国の基礎的な主要経済指標からどんな景気動向指数も作成される以上、結果は似たようになっても当たり前である。

日本の景気は元のトレンドに戻りつつある(growth returning to trend)という判断だ。

景気後退に入りつつあるように見えるのは、インド、ブラジル、中国。いわゆる新興国である。G7と新興国との綱引きが続いてきたが、そんな構造はこれまでと逆転しながらも今年も変わらないようである。

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