世界的に株価の動きはさえない。BREXITのせいだと決めつけているが、仮に英国が残留を選択していたとしても、その時はその時で米・FRBの金利引き上げ予想が高まって、やはり株価はさえなかったであろう・・・というのは、典型的な「レバ・タラ論」である。
が、学問分野としての将来予測をみると、最初から最後までレバ・タラ論で終始している。とにかく予測というのは「ここまでを予測の材料として使うのであれば」と、常にそんな枕詞はついて回るのだ。
7月に入っても日本の株価は低迷を続けている。ただ、5月14日の時点で ― その時点で利用できるデータは概ね3月までのデータであったのだが ― 春までのデータを見る限り、株価をはじめとする先行指数は7月にボトムを形成するであろう。そんな計算結果になっていた。なので、実態経済が先行指数に追いついてくる今秋以降は徐々に温かみが日本経済全体に感じられてくるのではないか。そんなことを前の投稿では記述している。
ちょっと考えてしまうのは次の点だ。
5月14日時点では英国の国民投票があのような結果になるとはわからなかった。実際には、想定外の「離脱」と出たのだから、そのネガティブインパクトを予想に加えて、予想は下方修正する。故に、国内先行指数の7月ボトム説は捨てなければならない。それが一つ。
いや違う、と。前の予測計算は(変わり映えのしない)ボックス・ジェンキンズ法でやったのだが、簡単にいえば、データに含まれているノイズの部分と過去の動きから予測できる部分を分離する作業のことである。
これまでの30年程度の動きをみながらノイズを抽出して計算したのが前の結果だ。当然、リーマン危機もあったし、東日本大震災もあった。「異常」だと思われるデータをすべて「この時期は異常だったし・・・」と外生的に別扱いにすれば、将来予測という計算は成り立たない。なので、すべて予測しがたい要因は、一定の確率分布の下で生じうるノイズと前提しているのだ。
その結果が7月ボトム説。だから、実際にUK離脱の結果が出たからと言って、予測の下方修正をするべきだとのロジックは出てはこない。
どちらの考え方をとるべきなのだろう。
ま、もちろん直近の観察値を含めて再計算するのがベストであることはわかっているが、考え方として上の問題を意識しているのだ、な。
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