- Man: ヒト
- Machine: 機械・設備・道具
- Material: モノ(材料・製品そのもの)
- Method: 方法・やり方・手順
この四つである。仕事を進めるうえで発生する問題は、あらかた上の四つのカテゴリーに属する原因からもたらされるものである。だから問題解決をはかるには、まず「人の問題」、「道具の問題」、「モノ自体」、「やり方の問題」。これらを列挙して、優先順位をつけたうえで、重点志向で解決する。その方がかえって速く済む。総花式にすべてを解決しようとはするな。そんな思想である。
何もモノづくりの現場だけではない。あらゆる人間の営みには、無駄がありうる、工夫の余地がある。同じことをするにも上手なやり方、下手なやり方がある。「勉強法」、「修得法」という言葉も同じ意味合いからできた言葉だ。
<問題解決技術>としてQCは大変応用範囲が広いのだな。
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議論や会議の運営にも上手い・下手がある。議論を上手に進める企業は、それだけで競争優位に立っているというものだ。
先日は朝ドラの舞台になることが、どのように地域経済のプラスになるかという検討会に参加した。そこで紹介したのが下の「特性要因図」である。発案者である石川馨博士の名にちなんで「石川図」ともいう。
共通の図をメンバー全員が見ながら、図の完成度を上げていく議論をすれば、結果として何をすればよいかが浮かび上がってくる。次のアクションンにつながる。議論の開始から次のアクションが見えてくるまでに経過する時間が短縮化されれば、それ即ち生産性の向上に他ならない。
以前は、会議に参加する人たちがメモをとっていた。そのメモも人によって違うことがある。聴き方・受け取り方が違うとメモも違うのだ。異なったメモを事後的に調べるのは、歴史家の史料批判には面白かろうが、そんな相違は意思決定過程に問題があったということであり、つまりは<ノイズ>である。
組織的意思決定のプロセスは、人間が行っている以上、以前と何も変わらない、そんな一面もあるだろう。一方、ソフトの進歩によって以前とは様変わりになっている面もある。ヒューマン・ファクターによる組織的問題は、ソフトウェアの進歩で解決できるはずのものである。そしてソフト面の進歩はハード面での進歩がもたらすものだ。
勤務先の会議ではタブレットが配布され、紙の資料が配布されないケースが増えてきた。資料には、各自が自由に書き入れたりメモを加筆するのが勤勉の証であったが、そんなやり方が本当に組織的にプラスの効果をもたらしていたのか、たこつぼ型の勤勉さの温床になっていたのか、よく分からない。
そもそも江戸時代には「会議」などという言葉より「寄り合い」と言っていた。意見の集約の仕方にも技術進歩はある。というより、最も重要な技術であるように思われる。