しかし、長期的な温暖化が本当に進行しているなら、「例年」より今年の気温が高めになるのは当たり前である。
たとえば『最近10年間の平均気温よりは3度ほど高い暑さになるでしょう』という説明であれば意味がより明確になる。更に『温暖化が続くなか、データから予想される気温よりもさらに1度高い暑さが予想されています』、こんな予報であれば最近の気温上昇トレンドを加味してももっと暑い、つまり非常に暑い、こんな説明方式も可能なはずだ。
最近の気温の動きを加味した予測値計算は、扱いの難しい時系列データであっても、多々、統計的な計算方法があるので選択に困ることはない。
古典的なボックス・ジェンキンズ法を勉強するときに何度も強調されるように、高め或いは低めの同一方向に予測ミスを一週間も続けるなら、予測方法自体がおかしい。温暖化は気温にトレンドが生じていることだから平年値に予測上の何かの意味をこめているなら既に適切ではないし、従来の目安として使っているだけなら単純に意味がない。
温暖化を後追いしながら「例年より高め」だと説明する言い方には意味がない。
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ただまあ化石燃料利用による「温暖化」は本当かという点も、正直なところ、マユツバであるとは思っている。足元では確かに上昇トレンドにあるのだろうけれど、これを「温暖化」というなら、これまでにも温暖化現象があらわれた期間はあった。「寒暖700年周期説」を唱えた学者もいたくらいだ。
厳密な意味で正確かどうかは検証していないが、まず正当だと思われる記述があるので引用しておく。
白亜紀には、年平均気温で、現在より10~15℃も高かったので、北極や南極近くにあった氷床はとけて、海水が増えました。そのために、海岸線が上がってきました。これを海進(かいしん)といいます。また、海進との関係はまだよくわかりませんが、白亜紀には3度にわたる海洋での酸欠の事件(1億1500万年前ころ、9300万年前ころ、8800万年前ころ)がおこりました。(出所)http://www1.tecnet.or.jp/lecture/chapter4/4_13.html
中生代には、あたたかく浅い海が広がっていたため、海の生物が増え、有機物が地層中にたくさんたまっていきました。これが、石油となりました。
「白亜紀」とは中生代白亜紀のことで今から1億年前後さかのぼった時代である。恐竜が生きて地球上を闊歩していた。初期哺乳類はもう誕生していたはずだ。もちろん前後というのはプラスマイナス4千万年程度で広くみなければいけないー人類の古代文明が誕生してからまだ5千年程度であることを思うと、「文明」といっても自然史の中ではほとんど瞬間的な出来事である。中生代にはもちろん自動車も火力発電所もなかったわけだ。
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