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2025年3月19日水曜日

ホンノ一言: 石破首相による10万円商品券贈与をどう見るかという話し

石破首相が新人議員に一律で10万円の商品券を贈ったというので、結構な騒動になっております。

ごくごく内輪の事情がなぜマスメディアに出てくるのか?

この辺で色々と揣摩臆測しまおくそく(?) ― これも大変古い用語である ― が飛び交っているようで、そのうち週刊誌か何か「その辺の」記事になるかもしれないし、下らないのでならないかもしれない。

民放TVは(例によって)電波を使った井戸端会議を繰り広げているようで・・・



ただ正直、思うのだが、ずっと以前、甥が国家試験に合格したとき、小生は10数万円の腕時計を贈ったし、別の甥には大学合格祝いにMacbook Proを買ってあげたことがある。人生一度の目出たい達成を親戚の一人としてお祝いしてあげたかったというそれだけの事であるが、税制上は贈与という事になるわけだ。これが特に問題にならないのは、贈与税基礎控除内であることと、社会的慣例内でもある(と思われる)、さらに親族内のやりとりだから問題はないのではないか、マアマア、こんなところが理由になるのであろう。

しかし、何が社会的慣例かという意識には個人差がある。叔父から10数万円のパソコンを買ってもらったという事実がそもそも腹立たしいと感じる人が世の中にはいるかもしれない。たとえ親類であっても、それは優遇・不遇を分けるソーシャル・コネクション(の一つ)であるから理念的には排するべきなのだ。故に、合格祝いだからといって甥にこれほど高額な物品を買い与えるのは不公正である。余裕があれば慈善的な寄付に充てるべきである ― 本当に「べき」ならもはや「寄付」とは言えない理屈だが、これはまた別の話し。こんな主張が目に入ったとしても、(いまの世相なら)想像の範囲内でもある。

商品券ならダメで、新人議員個々人に(仕事で使う)PCを進呈していれば良かったのか?そんな話でもあるまい。

血縁関係はなく、党総裁と党所属の新人議員だから問題なのか?……、これも違うと思います。

与野党問わず、時の議長・副議長連名で、一律に10万円の商品券をお祝いに進呈するというなら許されたのか?

・・・よく分かりません。

初当選という事実は新人議員にとって《人生一度の慶事》と言えよう。大先輩からお祝いしてもらって『これもらったらダメなんじゃないの?』と怪しみ、不安に感じる議員が本当にいたのだろうか?誰かに言われて、はじめて心配になったのじゃあないか?違うかな?

ある民間企業が、新入社員に一律でオーダースーツのお仕立券10万円を贈ったとしたら、世間はその会社と社長を非難するのだろうか?周りの経営陣が株主代表訴訟を心配するだろうか?・・・分かりませぬ、何しろ令和時代というのは、こんな世相ですから。


ある「法律専門家」は、政治資金規正法に違反する行為となる可能性があります、と。そんなコメントを公衆に向けて発信しているが、小生は法律の条文は現に機能している社会的慣行を壊すこと自体を目的としてはいけないと考える立場にいる。なので、この種のコメントをする人は「法匪」にしか見えない。

プラトンは『国家』の中で、こんな攻撃的タイプの御仁を、毒針をもった《オス蜂》に例えている。実に秀逸な比喩ではないか。安定した国制が危機に陥るとき、常に《オス蜂》が飛び回る様を表現力豊かに描写している。


・・・まったく(メディア関係者のギャラと企業利益以外は?)ロクに付加価値を生み出しておらず、極めて生産性の低い経済活動としか、小生には見えない。多分、マイナスの副作用がある。合計すれば、この間、生まれた社会的価値は概ねゼロであろう。不要にして無駄である。悲しいかな、悲しいかな。空なる人生の虚しさよ、と言いたいところです。


・・・実際のところ、小生は今回の騒動は誰かが意図をもって仕掛けている騒ぎにしか見えません。前々稿でも書いたが、マア、最近目立って増えてきた「言論テロ」の一例ではないか、と。こんな印象であります。

【加筆修正:2025-03-29】

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