2011年3月30日水曜日

ブログ上で数式を綺麗に表示するためデザインを変えました

奥村晴彦氏のブログで貴重なご教示を得た。WEB上の数式表示だ。

たとえば二次方程式の根の公式を表示したいとする。奥村晴彦氏のブログからソースをそのまま引用すると



となる。WAAAO, GREAT!

これで何でも書ける。

2月の生産データ

経済産業省が本日公表したデータ:

■ 2月の生産は、前月比0.4%の上昇で、4か月連続の前月比プラスとなりました。
これは、海外、国内向けの普通乗用車、国内向けの小型乗用車の生産増加等により、輸
送機械工業が3.4%の上昇となったこと、海外向けのショベル系掘削機械の生産増加
等により、一般機械工業が2.4%の上昇となったことなどによるものです。

■ 先行きについては、予測調査(震災の影響は反映していない)によると3月が前月
比1.4%の上昇、4月が▲1.3%の低下となっています。生産の基調判断は、「生
産は持ち直しの動きで推移」と据え置いていますが、今後、東北地方太平洋沖地震の影
響に留意する必要があります。

■2月の出荷は前月比1.7%の上昇となっています。輸送機械工業、一般機械工業、
化学工業(除.医薬品)等が上昇し、情報通信機械工業、鉄鋼業、プラスチック製品工
業等が低下しています。

■2月の在庫は前月比1.5%の上昇となっています。電子部品・デバイス工業、情報
通信機械工業、鉄鋼業等が上昇し、輸送機械工業、一般機械工業、化学工業(除.医薬
品)等が低下しています。


大震災なかりせば、3月、4月と巡航速度で持ち直しつつあったわけだ。


一昨日も記したが、文字通りの暗転となるだろう。どんな激しいショックになるのだろうか
それにしても2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災。経済データを分析する専門家はこの時期の動きをどう扱うのか、これから大いに苦労することは必定です。(季節パターンも滅茶苦茶になっているから、そもそも季節調整などできぬ、というのが現場の声に違いないでしょう)。


2011年3月29日火曜日

震災復興、いくつかの疑問

東日本大震災、東北関東大震災といくつかの呼称があるようだが、簡単に「大震災」と呼べば3月11日の地震を指すことは、今では暗黙の了解と思うのでそうしたい。また大震災の中に福島第一原発事故に伴う被害も含まれる(含まれると断定すると事故の責任の所在をミスリードするかもしれないが)と考えるのが、現時点では多数をしめる理解だと思うのでそれに従いたい。

大震災が起こってそろそろ20日になる。今の時点で疑問に感じている点を覚書にまとめておきたい。後になって読んでみると、それなりに参考になることもあるかもしれない。

  1. 首相、官房長官以下、被災者支援、原発対応等々で忙殺されているのは分かるが、いずれも息の長い仕事である。首相官邸は基本方針を立てて人を使う役割を期待されている。いまなお忙殺されていて、何分かの記者会見しか説明の時間を持つことができないのか?
  2. 多忙を理由に国会を休会にしているのは理解できる。常任委員会に出席し続けるのは無理であろう。(注を追加: 参院予算委員会の本日開催を確認)それなら「大震災復興特別委員会」を設置し、政府の基本方針を国会に説明するべきである。なぜ国会に早く特別委員会を設置しないのか?なぜマスメディアは国会が震災復興に関連した審議を行っていない点を批判しないのか?
  3. 計画停電についてはわざわざ東電の記者会見を遅らせてでも首相自らが説明した。しかし農産物の県内一律の出荷停止については指示責任があるにもかかわらず首相自ら説明をしていない。何故か?
  4. なぜ震災翌日の時点で、まだ担当大臣、担当局長、東電社長も詳細を把握していないにも拘わらず、ほとんど情報を持たないままで(本当にそうだったのか?)、福島第一原発を首相が直接視察する必要があったのか?視察したことで、いかなる知見が得られたのか?それはどう生かされたのか?
  5. 官房副長官が各府省連絡会を隔日で開催しているというが、いつまでこの体制を続けるのか?
  6. そもそも閣議と震災復興に関わる案件処理の関係はどのような状態になっているのか?内閣の意思決定は適法に行われているのか?
小生が承知していない事柄もあるかもしれない。細かく言えばあだあるのだが、今後の報道を注意していきたい点である。


2011年3月28日月曜日

今後の生産活動について

本日付けの日経朝刊にも生産活動の落ち込みが言及されている。そのボリュームが問題だ。まだ速報値は公表されていないが3月の鉱工業生産指数は予測指数に基づくと10%前後の低下になるだろうと報道されている。これはリーマンショック時を上回る負の供給ショックであり、今後、産業間で広く波及していくと考えられる。

震災前は一時の踊り場から脱しつつあり、先日内閣府から公表された1月までの景気動向指数(一致指数)は、下図のように2月以降上昇が見込まれていた。(計算は筆者による)


2月の数値は予測ラインに沿うだろうが、3月は下方に大きく外れ、95%区間外に出ることはほぼ確実。将来リスクの高まりも考慮すべき状況となる。被災によって需要側にもこれまでにない負のショックが生じている。今後、国内の生産レベルは需給双方の負のショックを引きずることは間違いがない。

可及的速やかな復興計画策定が待たれる。

2011年3月27日日曜日

小樽近郊遠望―途中経過(1)

震災、被災者、東電福島第一原発等々でツイッターをしたり、休眠中のブログを再開したり、今日は日曜でもあるし、少しリフレッシュしたくなった。

数年前になるが統計分析e-Learning立ち上げに燃えていて、その記憶を無くしてしまいたくもなく、このブログにも痕跡を残している。息子も成長して23年間書き続けた日記にも、ちょっと疲れてきて、大震災がきっかけになったのかどうか意識はしないが、日記も暫時休憩することにした。

とはいうものの世間や身の回りのことを書き残しておこうとツイッターを始めたのだが、やはりまとまった意見はブログのほうが向いている。それでこれを再開したのだが、少し間口を広げて書くことにした。本ブログを閲覧される方々は、少々、趣味的なことにもわたるので、その点どうかご寛恕下されば幸いです。

以前、小生が暮らしている小樽市郊外の風景を主題に描いてみた。
これはM6だから小さな作品で、構図も今ひとつなのでどこにも出せない。最近、アクリルで下書きを済ませ、リンシードを薄く上塗りしたとツイッターでつぶやいたのは下です。F6号です。
黒くマークした箇所に若者と駆ける犬を描きたそうと思うのだが、どうだろう?ただ、人物のポーズや走る犬のデッサンはまだです。木立の緑のトーンはこれから油絵具をグレーズしようと思案している。うまく行ったら、10号にまず描き直しアマチュア公募展で落選したら、30号に描いて市展に出そうかなあ、と何となく考えている。

2011年3月26日土曜日

原子力発電はどうなるか?

エネルギー開発は小生の専門外でいわば素人だが、最近の出来事について考えをここで整理しておきたい。(何度もとりあげるつもりはありません)

原発による電力単価は、水力、化石燃料、太陽光などと比較してずっと安い、故にエネルギー源としては原子力が最も有望だという考え方が専門家の間では通説だった。

しかし、起こりうる事象の下で発生する外部不経済(=放射能汚染、環境負担)による土地資産毀損額を割り引き(つまりは保険料を計上し)、あらかじめ電力コストに含めることにすれば、原発は決して安価なエネルギー源ではない。原発が安いという論理は、たとえば水俣病を引き起こした企業が本来負担するべき費用を会計上は負担せず表面上の利益が出ていたことと同じ理屈である。今回の東電福島第一原発の事故は、事業者が本来負担するべき費用と利益の関係に目を向けさせることだろう。今後、原子力発電事業を民間企業が手がけるのは極めて高コストで採算に合わなくなるのは間違いない。

安いと考えられていたエネルギー源が実は高い、ツケが回ってきて驚いた、という図式なのだが、今回の事故が稼働40年にもなる最も旧式の「おんぼろ原子炉」で発生した点は、将来のことを考えると大変残念だと考えざるをえない。最新鋭の原子炉が実現しているという高機能、安全性を熟知せず、「原子炉はやはり危険だ」と拒否するのは、最新鋭の医療技術を駆使した遠隔手術を勧められた患者が「子供のときに盲腸を手術したがあれは本当に辛かった」と手術を拒否する図式とそれほど異なるものではないように感じる。とはいえ、現実には新規の原発立地はもとより、既存の原発の運転、再稼働すら地元の了解が得られるのかどうか定かではない。

仮に、1ワットの電力を得るための費用が水力、化石燃料による火力、原子力などで均等になっているとしよう(=企業は最も効率的に設備ポートフォリオを保有している)。その場合、今後、どのエネルギー源を利用していくのが合理的だろうか。発電した電気は同じであり差別化はされていないので、資源価格と投資費用の将来見通しが鍵になる。

これまでの常識を覆すような技術革新をとりあえず無視すると、石油は埋蔵量と地政学的な調達リスクがあり価格的にも上昇トレンドが避けられない。水資源は国内では制約がある。原子力も燃料に制約はある。ただ燃料の将来価格は低めのラインで予想できるのではないか。但し、最大リスクにおける損害が非常に高価につく。その確率を一層下げる技術進歩が課題だ。LNGは当面をしのぐ有効な資源だ。しかし継続して安定使用できるのはそう長い期間ではない。石炭はどうだろう?原油に比べると石炭の数量的制約は緩やかである。地域的にも広く埋蔵されている。ただ石炭の利用は二酸化炭素の排出につながる。

しかし、化石燃料の利用が地球の二酸化炭素濃度の上昇につながり、それが地球温暖化をもたらしているという因果関係は、逆の指摘もあり、専門家の間で今なお意見が分かれている。環境負荷を軽減する石炭利用技術の開発と、地球温暖化と化石燃料使用の因果関係の検証、もっと根源的な「地球温暖化という事実の有無」自体もより長期かつ精細なデータを用いて検証することが求められている。

2011年3月25日金曜日

物資不足と見えざる手

政府は便乗値上げは許さぬと唱え始めた。建設資材の買い占め、価格引き上げの動きを注視していくという。市場の監視を強めるわけだ。確かに、災害復旧時には時間との争いになることが普通なので、市場による解決より、組織的計画による解決が優越するという考え方も分かる。しかし、不足している商品があれば全て政府が適切な生産指導を行うことができるのか。生産プロセスの現場を全て熟知しているのか。

北海道でもミネラルウォーターが店の棚から消えつつある。我が家はこの3日で半ダース箱を6箱買った。普段の10倍以上の購入ペースだ。いわき市在住の兄弟に送るつもりで買った。何しろ現地にはガソリンも水も入ってこないというのだ。他の人も同じような行動をとっていれば商品が棚から消えるのは当たり前だ。

おそらくキリンやアサヒが製造しているナショナルブランドは被災地向けに出荷され、北海道内では道内産商品が並んでいくと思う。増産はされることは確実だ。しかし、水の増産にはボトルの増産が欠かせない。化学メーカーが原材料を調達しないといけない。サプライチェーンが即時有効に機能するのか?
 
商品価格を震災以前の高さに固定したまま、これら全ての生産活動を政府が計画できるのか。できっこない。計画経済の不効率は社会主義の実験で証明済みだ。不足していれば価格上昇を認めなければいけない。そうすれば全ての企業に増産の動機が生まれ、政府があれこれ命令せずとも自然に商品は増えていく。
 
今回の大震災は文字通りの天災だが、価格メカニズムの働きも神の見えざる手となる。これを素直に認めることが大事ではないか。理にかなったことを進めて、 理にかなわないことは、たとえ首相、閣僚の指示であっても批判することが大事だ。『こんな場合に互いを批判し合ってどうする』という場合ではない。天災のうえに政府の判断ミスによる人災を積み重ねてはいけない。