2013年2月27日水曜日

2013年2月下旬―アメリカ経済はどうなのか?

アメリカ経済はどうなのかと問いながら、まずドイツ経済から始めるのは果たしてどうなのか。確かにそうも言えるが、ドイツ経済は大変好調なのだ。

Die deutsche Wirtschaft steht vor einem Aufschwung. Die Stimmung in den Chefetagen hellte sich im Februar bereits den vierten Monat in Folge auf. Der Ifo-Geschäftsklimaindex kletterte um 3,1 auf 107,4 Punkte, teilte das Münchner Ifo-Institut am Freitag mit. Das ist der beste Wert seit zehn Monaten. 
Von Reuters befragte Ökonomen hatten nur ein Plus auf 105,0 Punkte erwartet. „Die deutsche Wirtschaft nimmt Fahrt auf“, sagte Ifo-Präsident Hans-Werner Sinn. Sowohl in der Industrie als auch bei den Dienstleistern, im Großhandel und in der Bauwirtschaft erhielt das Lager der Konjunkturoptimisten Zulauf.
Source: Frankfurter Allgemeine Zeitung, 22.02.2013  
 景気動向指数(IFO Index)は事前の予想を上回り、最近10カ月で最高値を示している。IFO研究所長のHans-Werner Sinnは、『ドイツ経済は加速しつつある』という判断だ。

もちろん、この判断はイタリア総選挙より以前の数値である。日本の株価はイタリア・ショックでメッキが剥がれるように下落しているが、一撃で低下に転じるような株価は、そもそも中身はエンプティであったと評価するべきだ。それにしても共通通貨ユーロを維持し、守ることは、欧州共通の利益になってしかるべきであるのに、現状はどうか?ドイツの実体経済がこのまま上向いていくとすれば、ギリシア、イタリア、フランス、スペインの経済情勢を見るにつけ、本当に通貨ユーロは欧州共通の利益になっているのかと。日本から見ていても、そんな疑問を禁じ得ない。日本の株価は冷水を浴びたかのように急落したが、26日のニューヨーク市場はむしろ上昇している。



Source: Yahoo! US

しかしながら、アメリカのダウは14000ドルの壁を中々超えられずにいるのだな。これをどうみるか?

日本のエコノミストの間では、財政上の制約が意識の底にある、またガソリン価格の上昇が消費者心理を冷やしつつあるというので、アメリカ経済については慎重な、というより弱気な見方が目立つようだ。

ガソリン価格は以下のようで、確かに「騰がってきている」とも言える。


Source: Fred, Federal Bank of St.Louis

しかし、先日も投稿したように、従来のアメリカなら株価が既往ピークを超える段階になれば ― 今回は14000ドルを超える状況になれば ― 石油価格はもっと急騰して史上最高値を更新しているはずである。そう考えれば、むしろアメリカの石油製品価格は落ち着いているのであって、冬場が終われば下落に向かうのではないかとすら予想できる動きである。アメリカの消費者心理が石油価格上昇に伴って悪化しているというデータもないはずだ。

とはいえ、石油価格の高値横ばい、そしてダウ平均株価の高値横ばい。この両者が無関係とも思われない。たとえ「シェールオイル・ガス革命」が進行するにしても、石油がアメリカ経済、ひいては世界経済のカギである点は、まだまだ変わっていないようである。


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