<1>
東電・福島第一原発で事故調査委員会による調査忌避とも受け取られかねない行為をしていたことが表面化してまたまた一騒ぎしそうである。
小生、どうにも理解できないというか、理解できないというのは論理が通らないことでもあるわけだが、一点ある。
東日本大震災と巨大津波によって福島第一原発は大事故を起こした。だから全国の原発の安全性が確認されるまでは、再稼働を認めない。要するに、いま議論しているのはこういうことだろう。
しかし、これが安全確保のロジックならば、現に東電・福島第二と東北電力・女川原発は、東日本大震災の中で、細かな障害はあったようだが、設計通りに安全に停止している。故に、同規模の大地震に対して安全であることは、経験的に実証されている。
だとすれば、大震災で事故を起こさず、安全であった福島第二、宮城女川原発から先に再稼働を認めていくのが、ロジックというものではないか?
<2>
もちろん上のように議論すると、本当は科学的ではないのである。
いま規制当局がとりくんでいるのは、2011年の東日本大地震をもたらした震源とは別に<ありうる震源>で<同規模の大地震>が、再びあるいは再三、発生する場合に、<重大事故を起こしうる原発>が国内にあるのか、ないのか?この問題に明らかに答えることであろうと推測される。そのためにこそ全国の原発施設付近を通っている活断層の洗い出し作業が意味を持つのだと思われる。もちろん「活断層」だけを調べているわけではない・・・
しかし、データの解釈に完全というのはあり得ない以上、規制当局が<全ての>活断層を確定できたと言っても、活断層は<それ以外に一つもない>とは言えないと思う。やはり想定外の大地震が発生しうる確率は、コンマ以下の小さな確率であるにしても、ゼロではないだろう。
<3>
同じ震災において、福島第二、女川原発と福島第一原発とで帰結が異なった原因は何か?
「起こった事故」を調査することも大事だが、同じ天災の中で事故を起こさなかった類似施設が現にある。「起きなかった事故」を調査することも大事だろう。これもまた非常に重要な情報である。失敗と成功の複数ケースが同時に与えられることは稀であろう。そんな議論は、小生の寡聞のせいでもあると思うが、あまり拝聴したことがない。
ま、ここに書くくらいの論点は、当然、調べ尽くしているよね。ひとまず規制当局の行政能力を信頼しておくか・・・。
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