数日前にsubstack.comから届いたKrugmanの投稿にはこんな下りがあった:
But because America wasn’t suffering a Germany 1932 or Russia 1998-type crisis, it was impossible for Trump to deliver rapid economic improvement – that is, it would have been impossible even if he were competent (which he isn’t). So his efforts to consolidate power aren’t succeeding the way he and his fellow authoritarians expected.
しかし、アメリカは1932年のドイツや1998年のロシアのような危機に見舞われていなかったため、トランプが急速な経済改善を実現することは不可能だった。つまり、たとえ彼が有能であったとしても(実際にはそうではないが)、不可能だったのだ。そのため、権力統合に向けた彼の努力は、彼自身や彼の仲間の権威主義者たちが期待したような成果を上げていない。
On Wednesday the historian Tim Snyder, who is an expert on the grim history of Central and Eastern Europe, published a post titled Fascist Failure about the Trump administration’s lagging attempt to bring fascism to America. For now, I will be more cautious and say that American fascism is faltering rather than failing. But the power grab is clearly not going according to plan. Why?
水曜日、中央・東ヨーロッパの悲惨な歴史の専門家である歴史家ティム・スナイダー氏は、「ファシストの失敗」と題した記事を掲載し、トランプ政権によるアメリカへのファシズム導入の試みが遅れていることを批判した。今のところは、より慎重に、アメリカのファシズムは失敗というよりはむしろ弱体化していると言うことにする。しかし、権力掌握は明らかに計画通りには進んでいない。なぜだろう?
First and foremost, the determination and courage of ordinary Americans — in utter contrast with the craven surrender of much of the elite — has been crucial. But there are also structural factors that have helped the resistance.
まず第一に、一般のアメリカ人の決意と勇気が決定的な役割を果たした。エリート層の卑怯な屈服とは全く対照的である。しかし、抵抗を支えた構造的な要因もいくつかある。
Snyder emphasizes the lack of a good enemy against whom Trump can mobilize the nation. It’s a fair point.
スナイダー氏は、トランプ氏が国民を動員できるような強力な敵がいないと強調している。それは正当な指摘だ。
Source: substack.com
URL: https://paulkrugman.substack.com/p/the-economics-of-faltering-fascism
Author: Paul Krugman
Date: Feb 27, 2026
不法移民の摘発を担当してきたICE(移民・税関捜査局)の失態。エプスタイン問題の深刻化。インフレ高止まりに雇用悪化と経済状態も悪い。何より中国との関税戦争に敗退したことが大きい。それに相互関税の違憲判決。この秋には中間選挙もある。あと2年余りもト大統領が仕事を続けられるイメージがわいて来ない。修羅場だ。さぞ焦っていたに違いない。
どうやらトランプ大統領は《国民を動員できるような強力な敵 》を見つけたようだ。
イランがいい。
敵がいないなら作ればいい・・・そんなト大統領の心理を読んだイスラエルのネタニヤフ首相の政治勘には動物的なものがある。
ロシア=ウクライナ戦争が勃発した頃に投稿したときはこんなことを書いた:
政治の失敗の責任をとるべきところが、開き直って「正義の戦い」を外に拡大している
こういう事でしょう、と小生には思われる。つまりは、プーチン大統領、バイデン大統領、お二人とも次の選挙のことが心配なのである。
これが物事の本質だろう。
この三流政治家が、お前たちが考えていることは全部マルっとお見通しだ!
と、言いたいところだネエ。
これを思い出した。アメリカのトランプ大統領も同じであったようだ。
専制君主は、選挙がないので国民の人気向上を目的にカネのかかる戦争など、そもそもする動機がないという理屈がある ― その代わり、プライドやら領土欲やらで勝手に戦争をしたりするので、どちらも良し悪しである。しかし、賢臣に支えられた君主制ほど安定した統治はないというのは、プラトンが『国家』で展開した議論に通じるものがある。
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