2014年5月3日土曜日

韓国セウォル号沈没事件の今後の難問はなにか

韓国珍島沖のセウォル号沈没事件は、事件として余りにも悲惨であり、その感想や意見を文章にするのがためらわれた。今もそうである。

とはいえ現実は想像通りの方向に進んでいるようだ。
【ソウル】韓国珍島沖の客船セウォル号沈没事故で、現場から約2キロ離れた海上で乗客の一人の遺体が漁師によって収容された。他にも現場から流された犠牲者がいる可能性が高まっている。(Wall Street Journal Japan, 2014-5-2)
潮流が激しい海域とのことなので「やはりそうか」と思った。同じ記事のあとの方には、現場で捜索活動にあたっている人たちの疲弊が限界ぎりぎりに達している事も報じられている。
徹夜の救援努力を行っている人々が直面するリスクもある。1日朝には減圧障害(いわゆる潜水病)のため40歳のダイバー1人が意識不明になり、地元の病院に収容された。病院関係者によれば、5時間にわたって治療を受けた結果、意識が戻り、容体は安定しているが、なお治療を受けているという。(出所は上と同じ)
どこかで、必ず「これ以上の捜索活動を断念する」という発表を政府は行わざるを得ない。既に、今回の事件は『官災・人災』であるとの批判が出てきている。首相が責任をとって辞表を既に提出している。その政府が捜索活動中止をあらたに決断できるか。極めて不確実である。しかし、決断するべき打ち切りをしなければ、現場が疲弊して新たな犠牲が発生するであろう。これもまた非人間的な対応である。

今回の対応は『危機に際する戦力の逐次投入』という古典的失敗例に挙げられるかもしれない。

犠牲者の遺族の納得を得ながら、真摯かつ誠実に人間的な対応を貫徹するのは、いまの韓国政府にとって超難問であると思う。

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