2014年7月27日日曜日

メモ-ポスト集団的自衛権の内閣支持率について

日経に内閣支持率の調査結果が載っている。
日本経済新聞社とテレビ東京による25~27日の世論調査で、安倍内閣の支持率が6月の前回調査より5ポイント下がって48%となり、2012年12月の第2次安倍内閣発足後、初めて50%を割り最低となった。不支持率は2ポイント上昇し38%と最も高くなった。20~30歳代の支持率が10ポイント、40歳代は9ポイント下がるなど、比較的若い世代での低下が目立った。
(出所)日本経済新聞、2014年7月27日

『5ポイント下がった』と聞けば、やっぱり集団的自衛権の解釈変更がきいたよねえとか、原発再稼働に前のめりになっているのも支持率低下の原因かもねえとか、色々な背景が思い浮かんで、まあ納得できる結果である。そんな印象が強いのではないかと思う。

そうではないのじゃないか。集団的自衛権の憲法解釈変更は、違憲訴訟いかんで実際にどうなっていくか分からないが、「使わない」と言っていた権利を「使う」といい始めたのだから、正反対に舵をきったといえば言えそうである。

それでもなお支持率が48%ある。こう見ないと本筋をはずすのではないか。

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経済政策については評価する人の割合が多い。経済政策で中間派をとりこんで、強固な保守層の支持と併せて自らの政治課題を実現していくという基本戦略はいまのところ奏功している。

TPPで損失を蒙る国内農林漁業者は、アメリカの中間選挙後に急速に進展するはずの最終調整までに、政府による所得補償・その他救済措置で矛をおさめるものと予想する。農林漁業者以外の日本人にとっては、TPPによる「聖域5品目の関税、限りなきゼロへ」は大きな恩恵である。一度分かればTPP賛成派が大半を占めると予想するのがそもそもの理屈である。

とはいえ、安倍政権は、日本国の長期ビジョンを語っていない。安全保障についても、エネルギーについても議論を避けている — 議論をして、意見を集約する仕掛けをこの20年の間に壊してしまったことも大きい。避けているので何でもかんでもトップの総理にきくのだろうが、国民から広く意見を集約することに消極的であるのも確かだと思う。その点、現内閣は決して誠実とはいえない。ただ、誠実ではないという批判から、支持率が低下したのではない、と。小生はそう見ているところだ。


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