2016年8月12日金曜日

エネルギーの価格破壊もそろそろ終焉か

北海道の海水浴は、毎年の夏、それほど何度も好機があるわけではなく、その日に行けるなら行っておくのが秘訣である。今年は、週末に暑い日が多く、少なくとも2回のチャンスはあった。今日もひどい暑さだ。先刻買い物の帰途、浜の方を眺めると、たいそうな人出だ。お盆には海で泳がないと少年の頃に言われたものだが、もう何の関係もないようだ。

気温も暑いが、このところ株価も上がり調子だ。特に石油株の復調が目立つ。NY市場における石油大手の株価をみると、エクソンモービル(XOM)、シェブロン(CVX)、BP(BP)各社とも、昨夏の上海暴落、今冬の二度目の上海暴落に見舞われながらも、次第に回復を続けている。図の出所はどれもYahoo! Financeである。







この背景には、歴史的低水準にまで暴落していた資源価格が次第に回復している。これが当然あげられるわけだ。

日本国内の景気動向指数(先行指数)だけに基づいて予測計算をすると、すでに5月時点、つまり3月までのデータを見るだけで「7月ボトム」という見通しが得られていた ー 直近足元のデータを織り込んだ再計算はまだしていないが。

米国のエネルギー情報局(Energy Information Administration)が公表している石油価格の短期見通しによれば、現在バーレル当たり40ドル台前半で変動しているウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)価格が、今秋には底入れをして、来年にかけて緩やかに上昇し、来年中ごろには50ドルを超える見通しになっている。それ以降も石油価格は上昇トレンドをたどり、2017年12月には60ドルに戻る。石油価格についてはそう展望されているわけだ。下に一部の図を引用しておく。



米国内でシェールオイル企業の掘削リグが再び増勢を示しているということだが、中国経済はともかくとして、インド、アフリカなど今後20~30年の世界経済はまだまだ成長の余地がある。これも確実に言えるわけであり、輸送用、電力、化学分野など、石油需要はまだなお拡大を続けるとみている。というより、先進国ではロボット革命が進行する中で、やるべきこと、投資するべきこと、育てるべき人材は山積しているのが現実だ。お金の使い道がないわけではなく、新規投資分野はまだ漠然としていてリスクが高いので様子をみているのが率直なところだろう。そうでなければ、アマゾンやフェースブックの株価が飛ぶような急上昇を何年も続けられるはずがない。

2015年以降の停滞は、というより2014年夏場から始まった「価格破壊」はそろそろ終息する。そう見ている。下図はブレント先物価格だが、手元にあったのでペーストしておく。指標価格はどれもパラレルに動いている。

(出所)Nasdaq

中国経済?確かに不良債権、過剰債務を何とかしなければならない。ただ、離陸期から成熟期にさしかかった転型期に進めるべき構造調整が中国経済の本質的問題だ。資本損失もあるが、同時に今後の拡大が確実である市場は中国国内にある。経済政策を間違えなければ、安定した中成長を続ける可能性は高い。

中国リスクは、マクロ経済面から見る限り、それほどの心配には当たらない。そうみているところだ ー今後の 生活水準向上に伴って、政治参加への国民の要求がますます高まり、それが体制不安をもたらし、経済的リスクを増す要因になりうる点がジレンマといえばジレンマだろうが。



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