否。それは雪である。
こんな見解が日経新聞<ビジネスリーダー>の「星野佳路氏の経営者ブログ」で展開されている。
シベリアからの冷たい大気が日本の山にあたって大量の雪が降ります。日本より寒い場所は多くありますが、日本のように質の良い雪が降る国はあまりありません。世界的に見ると、北米ではロッキー山脈、欧州ならアルプス、アジアなら日本列島です。観光が経済に大きい影響を与える今の時代、雪は石油より価値あると思います。石油はすごい資源で、「いいなあ底から湧いてきて」と思いますが、雪は空から降ってくる資源です。(出所)日本経済新聞、2014年2月27日
確かに上越の雪は、量的には十分だが、湿っぽくて重い。軽やかにターンをしにくい。スキーが下手になったように感じる-小生はしないがスノーボードでも同じだと思う。北海道の雪は確かにそれよりマシだ。しかし、札幌オリンピックに出場した選手たちには手稲や恵庭岳の雪は不評だったと記憶している。
外国人に評価の高いニセコですら、それほど雪質がいいのかなあ…と正直感じる。それに北海道はなるほど雪質は良いかもしれないが、真冬は吹雪が多い。1メートル先が見えない吹雪で滑るのは人とぶつかりそうで非常に危ないのだ、な。そんな荒天が非常に多いということは織り込み済みだろうか。
ちなみに小生が行った中で雪質が最高だと思うのは、旭川近郊のカムイ・スキーリンクスである。残念ながら富良野にはまだ足を運んだことはないが、ちょっと離れただけで大きな違いがあるのが雪質である。富良野もトマムも雪がいいのかどうか何ともいえない。温泉というと登別のスケールが大きいが、洞爺湖を含め太平洋岸近くの雪質は悪い。
とはいえ、『雪は空から降ってくる資源です』という表現は実に美しい。小生もこれには異論はない。そもそも小生が暮らしている街は酒醸造が盛んだが、冬季の雪があったればこそ清冽な水があるのだと聞いている。梅雨がなく台風もほとんど来ない北海道で水に困らないのは雪が降るからだ。札幌雪祭りや小樽雪明りの路も、雪があって初めて可能な祭りである。雪は積もらせてその上を滑るだけの資源ではない。
Friedrich, C. D., Winter Landscape
Source: Web Gallery of Art
上のような雪野に立つ樅の樹、彼方に眺められる城館という景色が経済資源になりうるのは確実だ。この近くに温泉があり、サウナがあり、スキー場があれば申し分がない。加えて、城館には室内楽曲が奏でられる空間があって、暖炉のある個室に泊まることができ、それに隣接してカジノが開設されていれば、世界中から人を集められるだろう。
P.S.
本稿を投稿してからすぐに上にあるFriedrichを加工した作品がGoogle+経由で送られてきた。
Wonderful! が、誰なんだろうなあ…、作ってくれたのは。Googleのサービスってわけでもないと思うが。
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