2015年11月26日木曜日

軍事的優位もビッグデータが決める時代

軍事活動もビッグデータ・オリエンテッド・オペレーションが支配する情況になってきたようだ。

こんな報道、というか公表がある。
Air Mobility Command (AMC) noticed that C-17 airplanes departing from Oman and Kuwait were very inefficient when flying into Afghanistan compared to other parts of the world.
Out of 3,535 sorties, those flights were 5 percent less fuel efficient than the average.
What AMC realized is that air commanders were flying with extra fuel to reduce ground time in Afghanistan.
“Those departures where we saw the inefficiencies, they were putting on 40- to 50,000 extra pounds of fuel so that when they landed in Afghanistan they didn’t have to wait around for an hour or two to get those aircraft refueled and get back out,” Anderson said at a Nov. 19 speech at the Tableau Government Summit in Washington.
Source: Federal News Radio, 2015-11-19 

ビッグデータ分析によって燃料費節減を可能にし、軍事活動の低コスト化を実現できる。そんな主旨である。

戦前期日本では陸海軍参謀達の「信用」は相当なものであったらしいが、軍令を支える参謀達の実際の仕事たるや、今ならPCやタブレットがあるからまだいいが、軍事資源の残高確認、配分・運用の立案、点検などなど、要するに事務官が普通にやっている仕事で忙殺されていたようである。加えて、作戦活動に伴う予算見積もり、予算要求なども陸海軍本省まで出張っていってはやっていたそうだから、つまるところはデータ処理が毎日の仕事であったわけである。

Power BIやRは高嶺の華にしても、せめてExcelくらいがあれば高級参謀達も助かっただろう。

だからコンピューターの登場、その小型化の果てにビッグデータ時代が到来すれば、軍事活動を支える「参謀業務」が効率化され、低コストで精度が向上する。これは当然に期待できるわけで、これによって経済的負担を軽減し、その国の長期継戦能力をアップさせ、ひいては国家戦力の選択範囲が広がる。硬軟おりまぜて柔軟な政策を展開できる。ここまでは述べておいてもよさそうだ。

ずっと以前になるが、サッカー・ワールドカップも既にビッグデータ時代になってきている。この新しい流れに対応した欧州勢と自分たちのスタイルにこだわり続ける南米を比べれば、南米勢に勝機はない、と。アメリカ人が予想するこんな見方について投稿したことがある。

サッカーで起こっていることは、当然、野球でもバスケットでも起こりつつあるし(というか、スポーツ統計学は最も人気のあるデータ分析になっている)、それが戦争でも起こるとしても全く自然なことである。というより、現実には起こる順番が上とは逆であったのだろう。

いま進行中のテロ集団との非対称な戦闘においても、結局はデータとデータ分析という技術で問題は解決されることになる。小生はそう見ているところだ。具体的な解決の姿はまだ予想できないが……。


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