小生が初めてキャッツをみたのは、その昔、まだ小役人で円借款の仕事をしていた時分、向かいの席に座っていた同年配の銀行マンと二人でいったときである。上の愚息が生まれた前後であったので、多分もう30年も前になるか・・・。当時はフィリピンのマルコス大統領が亡命して、長期政権が崩壊した直後であったので、仕事らしい仕事はなく多分モヤモヤした気分をリフレッシュしたいという雰囲気があったのだろうが、それにしてもキャッツをいい年をした男が二人きりでねえ…、『おかしいですよ』とさんざん笑われたものだった。
筋も何も知らずに、ただ評判であったので行きましょうと急に思い立って行ったものだから、休憩までの前半は訳が分からなかったよなあ。『なんだか踊って歌ってるだけみたいですね』、『多分、最後に出てきた乞食猫がカギになるんでしょうね』などと言いつつ、それでも終わると大変満足したから不思議なものだ。
マジシャン猫のミストフェリーズを演じたのは、(まだ)飯野おさみだったと思う。乞食猫のグリザベラが誰であったか、思い出せない。久野綾希子ではなかったことは覚えているのだが。カミさんは野村怜子だったのじゃないのと聞くのだが、美声すぎる彼女は確か白猫のビクトリアではなかったかなあと記憶しているのだな。
まあ、何にしても昔のことである。日生劇場だったかねえ、観たのは。いや待てよ…、浜松町の近くにキャッツシアターがあったかな、ウ~ン、思い出せない。あれから、マジシャン猫は市村正親が踊るようになって、その頃には二人の愚息もしっかりしてきたので、家族四人で何度か見に行った。が、子どもたちが成長するにつれて一緒に家族で、ということはなくなっていた。昨日は久方ぶりにカミさんと二人で行ったわけだ。
初めて観たときから数えると何代目の猫になるのかなあ・・・と。ウタタ感慨を催した次第。
僧朝顔 幾死に返る 法の松状況は違うが、芭蕉が大和・当麻寺で詠んだ名句を思い出す。
それにしても四季の「キャッツ」は海賊猫Growltigerが歌う不滅の名曲"Ballad of Billy McCaw"を入れていない。この点だけは変わっていない。「ラストスタンド」だけじゃあキャラクターが伝わってこないのがとても残念。
帰り、ビックカメラに寄ってアイラモルトのラフロイグ(Laphroaig)のセレクトカスクを買い求める - ウィスキーを買うのにカメラ屋に寄るのも珍妙だが、これが当地の事情のようである。
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