こんな記事がある。
IBM confirmed today that it will acquire the digital assets of the Weather Company, the corporate parent of the Weather Channel and Weather.com. Terms of the acquisition were not disclosed, but the deal includes essentially all of the Weather Company’s assets other than the Weather Channel television station, including Weather.com, the Weather Channel mobile apps, the Weather Underground website and, perhaps most importantly, Weather Services International , a division that sells weather data to companies such as airlines and the insurance industry.Source:Wired, 2015-10-28, "IBM Is About to Become the Best Weather Forecaster Ever"
One possibility IBM has floated in the past is the correlation of retail sales trends with weather patterns to help companies make decisions.
The Weather Company and IBM may seem like an odd pairing at first, but IBM already has a partnership with the Weather Company to jointly sell its weather data services and incorporate that data into its cloud-based (no pun intended) Watson services. The acquisition will allow IBM the ability to take fuller advantage of the Weather Company’s data, plus control of a mobile app that’s installed on tens of millions of smart phones around the world.
要するに、IBMの戦略商品である人工知能”Watson”を天候予測に応用して価値を創造していこうと。それほど天候予測が企業経営に大きな影響を与えているわけだ。
日本でも同じような取組がもう始まっている。
一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:繩野 克彦、以下「日本気象協会」)は、(出所)PR TIMES-日本気象協会のプレスリリース、2015年10月26日
天気予報で物流を変える「需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流プロジェクト」(以下「本事業」)を実施しています。事業初年度である平成26年度の成果を用いて、参加企業の「冷やし中華つゆ」を事例に生産量を調整したところ、今年8月末時点で2割弱の在庫圧縮が確認できました。
2年目となる平成27年度は、本事業に参加する民間企業が初年度から13社増え、22社となりました。また「人工知能」の研究機関の協力なども得て、幅広い品目でさらなる需要予測の精度向上に取り組むことで、廃棄や返品に伴って不要に発生している二酸化炭素(以下「二酸化炭素ロス」)の5%削減を目指します。なお、本事業は経済産業省の平成26、27年度の「次世代物流システム構築事業費補助金」(※1)の採択事業です。
先週末には卒業年次生のワークショップがあったのだが、でるべくして出てきたのがビッグデータビジネスである。
それは上に引用したような天候ビッグデータの活用ではなかったが、それに近いものではあった。
小生はGoogle Alertに「ビッグデータ」を登録して最新情報を送信してもらっているが、それが毎日1回以上の頻度で届き、しかも一回当たりのアラートメールに含まれる情報件数が半端ではない。それほどにまで花開きつつある分野であるのだろうし、とにかくビッグデータ・ビジネスに遅れてはならないという日本政府の前のめりぶりが顕著でもあるのだ。
医療保健、流通、防災はビッグデータの三大応用分野であったのだが、最近、四つ目、五つ目の主戦場として観光産業、更には大学、予備校、職業訓練など教育産業が加わってきたようだ。
天候情報は流通にも防災にも観光にも関連する。データからカネを生み出すには花形分野であることは確かだ。
もうフリーの天気予報をTVで見ているだけじゃあ駄目だ。カネを払ってもっと高度の情報を入手しないとダメだ。そんな時代だということか……。修学旅行を企画している全国の高等学校もそのうち顧客になることだろう。
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実は上の引用記事二本ともEvernoteに放り込んでおいたのを検索したものだ。Evernoteは、小生、とても気に入っていて、NASDAQに上場されれば早速にでも投資しようと思案してきたのである。
ところがCEOのフィル・リービン氏がこの7月に辞任して会長に祭り上げられてしまった。日経にはこんな風に書かれている。
【シリコンバレー=小川義也】クラウドサービス大手の米エバーノートは20日、米グーグル出身のクリス・オニール氏が27日付で最高経営責任者(CEO)に就任する人事を発表した。現CEOのフィル・リービン氏は会長に就任する。グーグルで10年近く営業畑を歩んできたオニール氏をトップに迎えて事業基盤を強化。将来の株式上場に備える。(出所)日本経済新聞、2015年7月21日
ベンチャー企業も成功すれば営業プロフェッショナルに席を譲るか……。いまTBSで放映中の『下町ロケット』でも同じような話が進行中である。
モノづくりのプロと組織管理のプロは違うのだと言ってしまえばそれだけのことだが淋しいねえ。ちょうどあれか…、画家と画商の関係か。それにしても、またグーグルですか。
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