2016年10月12日水曜日

これは「大学の自殺」にあたるかも

古い本だが、時々、大内兵衛の自伝『経済学五十年』を読み返す。少年時代から大学を退官した後の人生を振り返っているのだが、最も生彩を放っているのは戦前の軍部独裁時代に東京帝国大学が過剰なまでに「時代」というか、「時勢」なるものと協調しようとして、そうする中で自ら大学として崩壊していった頃の思い出話しである。

中でも「左翼分子」を大学から放逐するときに大学執行部と協力的姿勢を示した自由主義者・河合栄治郎が、今度は自分が自由主義者である咎で大学を追われることになった下りは、文字通り1930年代という時代がいかに「下らない時代」であったか、限られた10数年ではあるがそんな戦前期・日本の現実を伝えてくれている。

亡くなった父も当然に戦前派であったが、その時代が実に下らなかったことは、小生の幼少期に折に触れ、朝の昼の晩の食卓を囲みながら、語り草にしていたものである。いやまあ、個別の話題はここでは省こう。

下の記事があったので全文を引用しておく:

 「残業100時間で過労死は情けない」とするコメントを武蔵野大学(東京)の教授がインターネットのニュースサイトに投稿したことについて、同大学が10日、謝罪した。7日に電通の女性新入社員の過労自殺のニュースが配信された時間帯の投稿で、ネット上では「炎上」していた。
 投稿したのは、グローバルビジネス学科の長谷川秀夫教授。東芝で財務畑を歩み、ニトリなどの役員を歴任した後、昨年から同大教授を務める。
 武蔵野大などによると、長谷川教授は7日夜、「過労死等防止対策白書」の政府発表を受けてニュースサイトにコメントを投稿。「月当たり残業時間が100時間を越えたくらいで過労死するのは情けない」「自分が請け負った仕事をプロとして完遂するという強い意識があれば、残業時間など関係ない」などと記した。
 電通社員の過労自殺のニュースが配信された時間帯に投稿されたもので、コメントがネット上に拡散。「こういう人たちが労災被害者を生み出している」「死者にむち打つ発言だ」などと批判が広がった。長谷川教授は8日に投稿を削除し、「つらい長時間労働を乗り切らないと会社が危なくなる自分の過去の経験のみで判断した」などと釈明する謝罪コメントを改めて投稿した。
 武蔵野大は10日、公式ホームページに「誠に遺憾であり、残念」などとする謝罪コメントを西本照真学長名で掲載。「不快感を覚える方がいるのは当然」とし、長谷川教授の処分を検討している。(千葉卓朗)

(出所)Yahoo!ニュース、(元記事)朝日新聞デジタル、2016年10月11日22時3分配信

なるほど、意見を公開したら職場から「処分」ですか・・・。井戸端会議ならよいとでも・・・。

以前に具体的な人名を含めた記事をこのように引用し、小生の意見を述べた投稿をしたことがあった。ところが何週間かたってから「指摘に応じ削除しました」という通知がGoogleから届いた。

戦前期のくだらない時代と何がなし共通点があると思うのだが・・・まあ、削除されたくはないので、これ以上は書かないー マ、念のために原文は別に保存しておこうか、ネ。

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