やはり『申酉さわぐ』の格言どおりの展開となっている年始相場である。
大発会から概ね10%下げたことになる。
ただ、中期的に見ると日経平均株価は2012年秋口からの上昇トレンドが既に3年余り続いてきており、景気循環の経験則に照らせば、一度後退局面に入ったとしても自然である。
実際、最近10年間の動きを上のグラフで達観すると昨年後半から天井感が認められるのは明瞭である。
実態経済は足元でそれほど悪くはない。ただ、中国経済のハードランディング、テロリズムの拡散、石油価格の暴落とオイルマネー逆回転と、マイナス材料は多々ある。
100年に一度の危機(Once in a century crisis)であったリーマン・ショックほどではないにしても、年始来の低下基調はこの春先を超えて夏場までジグザグしながら続くのではないか。
いまは10%の下落であるが、更に10%、もう更に5%程度は下がってもおかしくはない。とすると、日経平均で15000円を割るかどうか(割っても不思議ではないと思っているが)。時代はいつの間にか、金融工学からビッグデータ、そして人工知能、IoT、バーチャルリアリティへと次々に新しいキーワードが登場している。時代の流れは明らかだが、リスクに敏感な状況が続くには違いない。
さびしいのは、次の時代にチャレンジしている企業で名が聞こえてくるのは、大体が米企業、アメリカでないとすれば中国企業がほとんどであり、日本企業が登場する頻度がほとんどないことだ ー トヨタがシリコンバレーに開設した人工知能研究所にグーグルのトップ・サイエンティストを引き抜いたという例があるとはいえ、だ。”メディア・セレクション・バイアス”だろうか。
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