2008年にアメリカでオバマ大統領が勝つとは誰も予想していなかったことだ。2016年の大統領選挙でトランプが勝つことも専門家にとっては「想定外?」であったそうだ、と伝えられている。
若い頃に約束したことは、結局、ほとんど守られなかったし、そうしようと思ったことのほとんどは、時間の経過とともに、形を変更し、目的を変更し、結局は予想もしなかった結末になってしまった。
みんなそうではないか、と。
年齢とともに増えるのはシワだけではない。後悔も増える。
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1920年代から30年代、第一次大戦後の複雑な国際情勢の中で、中国統一を目指して蒋介石が北伐に踏み切り、北京政権が危うくなってきた頃、日本は何もせず干渉せず静観していればどうなっていただろうと考えたことがあった。
日本が蒋介石と敵対しなければ、中国のことは中国国民が解決していたであろうし、おそらく蒋介石が統一政権をつくりえただろう。泥沼の日中戦争もなかった。ソ連が体質的に反共である蒋介石政権を支えるはずはなく、満州の利権は統一政権発足後の交渉マターになっていたであろうし、仮にそうなれば日本は国境を犯すことなく東北部に静かに駐屯し、中国共産党が歴史に登場できる余地も結局はなかっただろう。
まったく別の歴史になっていたに違いない。
その時に合理的だと思われることが、後になってみれば後悔のタネになる。
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先手必勝はビジネススクールでもよくいう成功への王道だとされる。しかし、失敗への王道でもありうることは教えていない。
これまで数限りなくやってきた失敗。その失敗の原因は、何かの問題を解決するため、将来を先読みして良かれと思って決めたことが、実は失敗の原因になっている。
もう少し放っておけば良かったのさ。遅くはなかったろう。
『まだ、まだ』、『もう少し待て』。実は、こちらのほうが有効な経験則なのだろう。
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