2018年6月12日火曜日

「モラル」を持ち出すのは解決能力も説明能力もない証拠

今日は一日、どこの局も「米朝会談」、「朝鮮半島」で一色だろうと思っていると、果たしてカミさんが好んでみているワイドショーもシンガポールから現地中継している ― もちろん、「こんな様子」ですというレベルだ。

何か分かった時点で、臨時に切り替えてそれまではプロ野球の話をしてもいいんじゃない、という風に思うが、このノリは五輪や箱根駅伝を中継する狙いと同じである。何であれ、すべてはニュースになるわけだ ― そのうち『1+1=3と定義するまったく新しい数学が自動運転技術に応用できることが確認されました!』などという話題もTV画面をにぎわせるだろう。「ヘエ~~ッ」という反応になるかもしれない、・・・フェイクではあるが。

新聞はどうなっているのだと、道新をみると『G7サミット 無力化を食い止めたい』と。ホホ~ッと思い本文を読むと
それにしても目に余ったのがトランプ氏の身勝手な振る舞いだ・・・日本を含む6カ国は今後も連携し、G7の意義をトランプ氏に訴え続ける必要がある。
国内の政権に対しては、率直を通り越して、露骨ともいえるほどの倒閣運動を展開できるのが日本の(ま、日本だけではないという見方もあるが)新聞である。

トランプ大統領がやっていることを、熱く支持する階層がアメリカ国内に(今でも)いることは数字が示すところであり、事実として認めるほうがよい。故に、トランプ氏は目に余ると言っても全く意味がないわけで、そんな行動をとってほしいと願望しているアメリカ国内の「分離主義者」を非難するべきなのだ。そもそも「目に余る」と言っておきながら、何もアメリカを非難する言葉を書いていない。トランプ大統領を批判するなら、ホスト国のカナダ、仏独の側に明確に立つべきだ。と同時に、融和的な意見を述べ続けていた(と伝えられている?)安倍首相をも非難するべきであるし、でなければ称賛するべきである。自国の首相はどう振舞っていたか、日本のメディアなら伝え、評価しなければならないことを評価していないところに、不誠実の香りがするのだ、な。ト大統領がロシアをG7に復帰させようと発言した(そうだが)その時、なぜ日本のメディアは「一考に値する」と書かないのか? 英独は反対したそうだが(フランス、イタリアまで反対したとは伝えられていないが)、日本の利益にはかなうのではないのか。この事にまともに触れようともしないのは、メディア企業として極めて不誠実であり、誰のために報道企業を経営しているのか理解できないほどである。

こんな大事な点をスルーしておいて、『その態度、まことに目に余る、言語道断である』とはネエ・・・江戸城中の小役人にでもなったつもりか、と。そう思いました。

主題について分析やロジックを述べず、モラルに訴えて何かを語っているとき、そのホンネは透けて見えるものである。何かの当てがはずれたとき、そんなものの言い方をするのが人というものである。

ヤレヤレ、またメディア批判になったか・・・メディア産業はインターネットの都合の良い部分をこのところ報道素材にしているが、最近はメディア産業がネットの中でしばしば標的となり炎上している。火遊びは火事のもと。それほどの時間がたたないうちに、フェイクニュースに引っかかって大失敗を演じ、国内メディア産業が激震に揺れ、壊滅状態になる。そんな未来が(そろそろ)みえてくる予感がするのだな。真面目な努力を惜しむといつかは失敗して没落する。浮世の理(ことわり)だ。剣呑、剣呑・・・


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