TV局で実施した街角インタビューによると「いいんじゃない」という人が85%、それはそうだろう、赤ちゃんは泣くのが商売だから、と。同じことをキャスター -ワイドショーでもキャスターと呼ぶのかどうか詳しくないが- も言っていた。ところが何と15%の人は「乗るべきじゃない」と回答しているのだな!
思わず横のカミさんと話をした。
小生: 驚いたね。赤ちゃんがうるさいから乗るなって、じゃあどうしろと言うんだろうね。
カミさん: うちだって北海道に来てから、まだ子供が小さかったからJRにはほとんど乗らずに自動車を使ってたでしょ?泣き止まないとお母さんも肩身がせまいものだよ。 特に一人で乗ってると。
小生: う~ん、昔は子供が泣き募ってると、扱いに慣れたおばあさんがいてさ、あやしてくれたもんだけどねえ…、最近はいないもんね。とんとそんな風景みないよな。
カミさん: 下手に他人が手を出すと怒られるでしょ。
小生: でも、手を出すのもおせっかいかもしれないなあと思って、じっと我慢をして、それで「うるさいなあ」と舌打ちするっていうのも殺伐とした社会になったもんだねえ。大体、子供がうるさいと思うなら、うるさいと思うほうがグリーン車に乗るとか、マイカーで行くとか、すればいいだろうが。
カミさん: 新幹線のグリーン車で赤ちゃんがずっと泣いてたらどう思うかっていう質問だったよ、最初は。
小生: ああ、グリーン車でか。そういえばね、昔さ、新幹線に乗ってたら、前の席にすわっていた幼い子供が僕の方を覗いては顔を隠したりしていたわけ、そうしたらさ、いきなりもどしてな。ずぼんが汚れちゃったんだよね。
カミさん: そんなことがあったの?で、どうしたの?
小生: とにかくふいて、洗面所でハンカチを濡らしてふき取ったよ。確か、クリーニング代にとか言われて、お詫びをもらったような記憶もあるけどねえ…いいですからって受け取らなかった気もするよ。
カミさん: そりゃお詫びしないとね。で、仕事には困らなかったの?
小生: 帰りだったんだろうね。泣かれるのはうるさいけど、もどされるよりはずっとマシだよ。あっと、あれだね…、赤ちゃんが泣くのがうるさくて、新幹線に乗るななんて答える人は、おそらく子供を育てたことがないんじゃないのかね?
カミさん: そうかもしれないね。
小生: 子供を育てたことがない人は、まあ「半人前」だからねえ、15%いるっていっても半分の7%くらいに見ておいていいんじゃないのかねえ…。 頭数はいるけど、1割もいませんヨってね。
カミさん: ちょっと、ちょっとお…そんな意地悪言っていると、また集中砲火あびるよお、いい加減にしなさい。確かに『子供を育てたことがない人は半人前だから、0.5人で数えたらいいんでない?』というのは暴論である、な。深く反省したわけであった。
しかし、子供が泣き止まないので舌打ちする人がいるかと思えば、手を差し伸べてくれるお節介な人もいたのが、ずっと日本の社会であったような気がする。手を差し伸べてくれる人がいなくなったのは、他人にかまわない時代なのだから、それはそれで仕方がない。なら同じ乗車券を買った客どうし、お互い無関心でいればよいではないか。うるさければ自分が何とかすればいい。耳栓ひとつで問題は解決する。舌打ちは平気でするとはなあ…、少子化が心配だと多くの人が言う割には、いまの社会には問題をみんなで解決しようという自覚が希薄化しつつあるようだ。
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