2014年12月22日月曜日

自分の人生の味

小生がまだ役所勤務の頃、同じ課でお世話になり―というより面倒をかけたことの方が多かったと思うが―現在は首都圏の某大手私大の教授をしているTKさんが、連載しているコラム記事で「三人の師」の思い出を書いておられた。

文中に登場している三人の人物のうち、YK氏は(小生も事務的なやりとりをしたことはあるが)深い関係を持てなかった。しかし、あとの二人、MY氏とSS氏は小生にとっても直接上司であったことがあるので、大変懐かしい思いがしたのである。

とはいえ、小生自身の立場からいうと、SS氏よりはその前任のYO氏には客観的にはもっと多くの厚情をたまわった感情がまだ残っている。また、MY氏よりはYM氏から頂いた多大な愛情の温もりをいまも忘れられずにいる。

しかしながら、当地に来てから上の二人とは次第に疎遠となり、疎遠のままで両氏とはすでに幽冥を異にしてしまった。それどころか、1992年の春、小生は離京したまま唐突に役所を辞してしまった事情もあって、二人の先輩とも連絡がいつしか途絶え、二人が他界したという事実すらずっと後になってから人づてに知ったくらいであった。

最初に述べたコラム記事を読んで、懐かしさとともに苦味と後悔の念が昔と変わらずまたも胸にしみとおってきたのには意外な感がした。旧友と歩く道を異にしたまま、裏山道を長閑に歩かせてもらったが、どこか贖罪意識を胸のうちに持っていたのだろうか。

小生の人生は塩味が隠し味というには少しききすぎているようだ。

0 件のコメント: