2014年12月2日火曜日

選挙戦: 政党に差別化はあるか?

利益を高める製品差別化には「最大化原理」というのがある。

顧客満足を形成するうえで最もウェートの高い次元においては差別化を最大化する。思い切って違いを出す。そうではない細かな次元については差別化を最小化する(=同質化)する。それが理に適っているという定理である。

いま進行中の選挙戦では各政党が-もうマニフェストという呼称は下火になったが-自党と他党との違いをアピールしようと一生懸命のようである。がしかし、と同時に、なぜここで一歩踏み込まんかなあ…と、そんなイライラ感にも似た欲求不満的もどかしさ。そういう複雑な感覚をも覚えるのである。

要するに、だ・・・

民主党: ほんとうはカネをばらまきたい。というか、特に低~低めの中所得層に手厚く給付をしたいのだと。この国で暮らしに困っている人を支援する責任は政府にある。口の端々にそう言いたげな雰囲気が伝わってくる。だから本当は「増税」したい。すぐに増税すべきだと。そう言いたい。だから野田政権ではそう決めた。集めた財源で教育や社会保障を増やしたい。ホントはそうなんでしょ?ハッキリ言った方がいいと思うのだ、な。 「増税は期限をつけずに延期」。これは自民党との違いを出すための「苦肉の策」である。そうなんでしょ?ほんとは言いたくないのじゃないですか?
自民党: ホントはとにかく企業減税をしたい。そうなんでしょ?社会保障なんかより、企業が大事。ホントはそう考えているんでしょ?企業がビジネスを拡張すれば雇用が増える。仕事が増える。政府がカネを渡すより、自分で仕事を見つければもっといいじゃん。それが本音なんですよね。だから、ビジネス環境をよくする。これが第一。法を重視して、国際平和を重視する。国防は平和維持には必要だ。本当はこれを言いたいんですよね。 
共産党: 消費税に反対しているようですけど、富裕層や企業への資産課税を強化する。そうすれば日本国内からいくらでもカネは集められるよ。集めた金を低所得層に渡せばいい。何しろ人数が多い。一度これをやれば、共産主義がいかに公平で良いシステムであるかが分かってもらえるからね。政権は安定だ。本当はこれをやりたいんでしょ?

公明党、その他諸々の政党はいいだろう。

大体同じようなことを言っている政党ではあるが、本音を語らせれば、本当は目指す方向に大きな違いがあると。感覚ではそう感じるのだが、どの代表者もズバリ本音を言わない。

それは平均的日本人は「ばらまき」を嫌うし、「企業優先」も嫌う。だから国民から反発されないように、特に選挙期間中は言いたいことを我慢している。見え見えなのだな。そこが実にもどかしい。

中には『消費税率を上げるなら、まず公務員の給与を2割下げる。身を切る。これが先でしょ!』と。…広く社会保障を充実するため消費税を上げよう、みんなで負担しようという時に、なにゆえに警察官を減給しなければならないのか、なぜ判事や自衛官の給料を下げるのか…。(何度も言うが)バカではないかと。単に税金を払いたくないだけだろうと。そんな社会保障であるなら、別に充実する必要もないだろうと。カネがかかりすぎます。助け合いなら感謝もしようが、いやいや負担するような年金などは結構ですと。そう小生は思ったりするわけだ、な。いや思わず、力が入ってしまった。

ただ、まあ『そこまで言っちゃっちゃあ、身も蓋もないってものですよ』。だから、穏便な政見表明になっている。それは分かるのだが、こんなフワ~ッとした打ち出しで選挙の機能を果たせるのだろうか?

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