一つは『自衛隊、海外活動全面拡大へ 安保法制、27日実質合意』というヘッドライン、もう一つは『昨年の衆院1票の格差』で、札幌高裁が違憲判決を出したというものだ―違憲ではあるが選挙は有効という結論だから、最近主流になっているロジックに沿っている。
う~~む。小生個人としては、武力の裏付けがある自衛隊が海外で広く活動するほうが違憲であるという感じがするし、一票の平等と不平等が憲法で明確に定義されていないにもかかわらず公職選挙法など選挙関連法が違憲だと判断するのは奇妙な思考だと感じる。
まあ、これから安保関連法案が可決された後、山のような違憲訴訟が相次ぐであろうことは今から予想できることである。
集団的自衛権については確かに内閣が憲法解釈を変更する権限があるとは思う。が、世界のどこでも自衛隊が活動できるということになると、結局は「国益」の存在に基づいて派兵、いや派遣されるのではないか。だとすると、国権に基づく武力の派遣、つまりは武力の行使とどこが違うのだろう。
いやまあ、出てくるわなあ・・・、神学論争のテーマ候補が続々と。大変だと思う。多分、法学部の憲法学者は、いかにこの行動方針が日本国憲法と両立しうるのかで頭を悩ませるだろう。
いずれにしても言えることは、自衛隊が活動する中で発生する紛争は全て単なるトラブル、つまり「事変」であり、敵対勢力との「戦争」ではないという議論になるということだ。この点だけは憲法で禁止している以上、結論は決まっている。行われる議論は、結論から逆向きにどうロジックを通していくか。そういう仕事が今後は議院内閣制国家の僕たる官僚の仕事になるのだろう。
ヤレヤレ・・・。
これって「政治の堕落」に該当しないか。というか、民主主義の堕落ってことか……。
☓ ☓ ☓
北海道ではフキの新芽が大分伸びて、タンポポの花が満開だ。桜も例年になく早く開花した。チューリップが咲くのももうすぐだ。
この季節に似合うのはマティスの絵画だと思っていて、一年周期でパラパラと画集をめくっている。
内地では桜の花見が習慣だが、先日投稿した通り、桜にまつわる小生の個人的記憶はどれも淋しくて憂鬱になるものばかりだ。
だから、此の地に来てライラックが咲く季節こそ花見に好適であるのを知って嬉しくなったものだ。とはいえ、上のライラックはちょっと違うねえ・・・。まあ、マティスにはマティスで何かの記憶がライラックにはあったのだろう。
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